満年齢、数え年について【お位牌の知識】

年の数え方 ~満年齢と数え年~

いきなり質問ですが、
自分の年齢をパッと答えられますか?

当たり前ですよね(笑)

でも年齢を重ねる毎に少し怪しくなったりしませんか?
私の場合は31歳になったという現実を受け入れられない為に、
瞬時に出てこない・・・なんて事はありますが・・・(笑)

実は年の数え方は2種類あるってご存知でしたか?
普段年齢を聞かれて答えている年と、
例えば厄年などで当てはまる年は異なります。

お位牌の作成時に実年齢よりも多い年齢で作る事がありますが、
これは年齢の数え方の違いによるものです。
決して間違えている訳ではありません(笑)

よくご質問を頂きますが、
今回は年の数え方『満年齢』と『数え年』について調べてみました。

満年齢

現在年の数え方として使われているのが『満年齢』です。
お腹から生まれた時点を0歳とし、
法律上は誕生日の前日に1つ年を取る数え方です。

実は誕生日の前日なんですね!

これは年齢計算ニ関スル法律によるもので、
期間が生まれた日を1日目として換算し、
翌年の誕生日前日で満了となる考えに基づいての数え方になります。

生まれた時間は関係ないので、
前日になった時点で法律上は1歳年を取ります。
厳密に言うと前日の24時(午後12時)。
なので当日の0時と同じなんですが、法律上の日付はあくまで前日になります。

ちょっとややこしいかもしれませんが、
満年齢でいくつ?と尋ねられたら(中々そんな質問も少ないですが・・・)、
むずかしく考えずに今現在の年齢を言えばいいだけです。

それにしても年齢の数え方に法律があったなんて驚きです(笑)

数え年

一方、馴染みの薄い年の数え方が『数え年』
昔はこの『数え年』で年齢は数えられていました。

一般的に完全に切り替わったのは、
年齢のとなえ方に関する法律が施行された昭和二十五年一月一日以降。
法律により『満年齢』に切り替わった訳です。

それ以前は数え年で自分の年齢を数えていた訳ですが、
では『数え年』ってどう数えるのか。

考え方は凄く単純です。
生まれた日を1歳とし、
1月1日に年を取ります。

生まれた日は関係なく、
何月に生まれても1月1日なので、
12月31日に生まれた人は1日で2歳になってしまうんです!

数え年は仏教の考え方としてお腹にいる期間も命とする事や、
暦など0からスタートでは無く1からスタートする(0月0日はないですよね。。)事など、
色々理由があって使われていたようです。

メリットは、
昔は子供が沢山いたので1人1人の誕生日を覚えるのも大変。
なのでいっせいに年を取る数え年の方がわかりやすかったようです。
また役所などでの管理もバラバラな誕生日よりも皆一緒に年を取る方がやりやすかったみたいです。
まぁ今よりも物凄くアナログな時代なので仕方ないのかもしれません。

デメリットとしては、
先に書いたように12月31日生まれの人は1日で2歳になってしまいます。
戦後は食べ物の配給制度があり年齢によって配給される食べ物も異なりました。

2歳として配給される食べ物は実際は0歳の子にとって決して必要な食べ物ではなく、
また満年齢で58歳の人は場合によって数え年で60歳となり、
満年齢を基に配給量の基礎カロリーは計算されていたにも関わらず、
数え年で配給されてしまっていた為、配給量が少なくなったりしたそうです。

こういった事も含めて満年齢で一般的に年を数えるようになっていきました。

最大で2歳差??

満年齢と数え年、
それぞれ理解できましたでしょうか。
0から始まる満年齢と1から始まる数え年では基本的に1歳差が生じますが、
実は最大で2歳差が生じてしまうんです。

満年齢と数え年に生じる年齢差を簡単な例で紹介すると、
2000年5月1日生まれの人は現在満年齢ですと17歳になります。
ですが数え年ですと生まれた時点で1歳なので、プラス1歳で18歳になります。
なので満年齢との差は1歳です。

さらに元旦を迎えると1歳プラスされて19歳になります。
次の誕生日までは最大で2歳の差が生じる訳です。

簡単なまとめ
満年齢は0歳から始まり誕生日(前日)で年を取る。
数え年は1歳から始まって1月1日に年を取り最大2歳満年齢と差が生じる。

お位牌に入れる年齢

現在は満年齢で年を数えるわけですが、
慶弔事やお位牌を作成するときは数え年も使われています。

お位牌は実際両方使われていますが、
享年・行年によって使い分けている場合が多いです。

享年では一般的に数え年を使われる事が多いですが、
これは戒名を授けてくださるお寺さんや地域の伝統や考えなどによって異なります。
現在ではわかり易いようにと享年でも満年齢で記載するお寺もあります。

もしお位牌に入れる年齢の事で分からなければ、
一度お寺さんに相談してみるのが宜しいかと思います。
大切な故人様の依り代となりますので確認は怠らず行いましょう。

次回は「享年と行年について」お話いたします。

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