お位牌の「享年」と「行年」の意味や違いについて解説させて頂きます。
お位牌をこれから作られる方に少しでも参考になればと思います。
お位牌の年齢表記の基礎知識
まず初めに知って頂きたいのは本位牌を作成する際ですが、白木位牌に書かれている年齢表記通りに、本位牌を作成するのが一番良いです。行年や享年は寺院ごとにどちらを使うか異なり、見解も異なることがたまにあります。ですので寺院が変わっていない場合はそのまま記載することをおすすめします。白木位牌に行年●●歳と書かれていたらそのまま本位牌にもご記載下さい。
ですが過去に寺院が途中で変わった場合や、ご先祖のお位牌の表記がバラバラの場合は、下記の認識をもとに年齢表記を統一されることをおすすめします。その際には下記の形式にあわせる形でよろしいと思います。
※寺院や地域によって考え方が違うことがありますので、一般的にという捉え方でご覧ください。
行年(ぎょうねん)とは
意味:行年は、故人が亡くなった時点での満年齢を示します。これは、一般的に私たちが日常で使う年齢の数え方と同じです。
例:満年齢で70歳の場合、行年も70歳になります。
享年(きょうねん)とは
意味:享年は、亡くなった年齢を「数え年」で表したものです。数え年とは、生まれた年を1歳とし、以降、毎年正月に1歳ずつ加算していく方法です。明治時代までの年齢の数え方です。そのため、享年は通常の満年齢(現在の年齢の数え方)よりも1歳多くなることが一般的です。
例:満年齢で70歳の場合、享年は71歳になります。
注意点:数え年なので誕生日が来たらではなく、正月に1歳ずつ加算されていきます。なのでタイミングによっては72歳になるケースがあります。
なぜ、上記の「享年のややこしい数え年」が存在するのか?
数え年は、明治時代まで日本で使われてきた年齢の数え方です。それゆえ伝統的な仏教文化において風習が残っているためです。寺院もいきなり、今日からお位牌の表記を変えますとできなかったためと思われます。(過去のお位牌との年齢差が生まれるため)
まとめ
お位牌に刻まれた「行年」と「享年」の違いは、享年が満年齢に1歳を加えた年齢が多いのに対して、行年は満年齢そのものを示している点です。
※寺院や地域によって考え方が違うことがありますので、不明な場合は寺院に聞くのが良いでしょう。
最後までご視聴頂きありがとうございました。