仏具の種類、仏具の飾り方について

お仏壇にはご本尊やお位牌を安置する他に仏具と呼ばれるものを飾ります。仏様やご先祖様を敬ってお供物をささげ、お参りする為の道具が仏具です。荘厳(しょうごん)と言いますが、仏具でお飾り(荘厳)してはじめてお仏壇として意味を成すのです。
仏具にも当然それぞれ役割があって飾ります。今回は仏具の種類と仏具の飾り方について説明します。

【3具足】お仏壇に飾る最低限必要な仏具数

お仏壇に飾る仏具の基本は香炉・花立・火立の3種類となります。3具足(みつぐそく)と言います。

3具足の飾り例

お仏壇の大きさや種類によって数を変えることもありますが、昨今のお仏壇はインテリア性も高くなり、大きさもそれ程大きくはありません。昔の仏壇のお飾りのように11具足を入れるケースも少なくなっています。お仏壇を飾るにあたって最低限、必要な仏具数は上記のような3具足になります。もちろん一般的な仏具数の5具足・6具足となればより丁寧なお飾りと言えます。

 

 

【5~6具足】お仏壇に飾るのに一般的な仏具数

花・ローソクの灯り・線香の香り・ご飯・お水(お茶)をお供えします。これを五供(ごぐう)と言います。またそれらの仏具を5具足といいます。当社ではこの五供を基本に考えて、さらに線香立てをプラスした、6具足の物を多く取り揃えております。

5具足・6具足のお飾り

 

 

6具足の仏具をご紹介を致します

香炉(前香炉)

香炉とはお線香や抹香を焚く為のものです。お線香は棒状の物、抹香は葬儀などでのお焼香で使う粉末状の物です。
一般的なご家庭ではお線香を使用します。ちなみにお線香は煙をお供えするのではなく、香りをお供えするものです。香りの良い物を選ぶようにしましょう。

香炉

お線香の火は息で吹き消さず手で煽いで消してください。
また、あげるお線香の本数は宗派によって異なります。
天台宗・真言宗:線香を三本供えます。
浄土宗・日蓮宗・臨済宗・曹洞宗:線香を一本供えます。
浄土真宗:線香は一本を折って横に寝かして置きます。

 

花立て(花瓶)

花立てはお花を供える為の仏具です。生花を供える事が多いですが、近年では特殊な加工を施して永く飾れるプリザーブドフラワーなどもお供えするようになりました。3年程状態を保ちますのでお花の入れ替えの面倒もありません。法要などの行事のときだけ生花に変える、といった使い方をする方もいるようです。

花立て

お供えする花は「トゲのあるもの」や「においのキツイもの」「毒のあるもの」は控えた方がいいでしょう。
常花のように金属や木などを素材として花を模した仏具もあります。お仏壇にお花と一緒に飾ると、お仏壇の品格が上がるとも言われています。

 

火立て(灯立て・ローソク立て)

ローソクを立てて明かりを灯す為の仏具です。お線香に火をつけるためにある、と思われてますが実は違います。お線香に火をつける為にも使いますが、「火を灯して供養する」為の仏具というのが正しい理解となります。
お線香同様、ローソクの火も息で消してはいけません。ローソク消しを使うか手で煽いで消します。
灯立て
なぜ息で吹き消してはいけないのか。それは人の口から出るものは穢れているもの、不浄のものと仏教では認識されているからです。また、人に向かっていきなり息を吹きかけたりしたら失礼ですよね。失礼のない作法が大事です。

 

仏飯器(仏器)

ご飯をお供えする為の仏具です。炊き立てのご飯を毎日お供えします。毎日ご飯を炊かないご家庭の場合は、炊いた時で構いません。また、ご飯ではなくパン食だった場合でもパンをお供えしても問題はございません。大事なのはお供えする心です。
仏器
ただ、「生臭いもの」や「においのキツイもの」などは止めておきましょう。
「生臭坊主」なんて言葉があったりしますが、意味は仏門の身である僧侶は魚やお肉などの生臭物を食べてはいけない決まりがあるのに、それを守らずに食べる僧侶の事を言います。戒律を守らない僧侶の事です。ですので仏教では殺生を嫌いますので、魚やお肉といった物をお供えするのは控えた方がいいです。臭いのきついニンニクやネギといった物も避けましょう。

 

茶湯器

お水もしくはお茶をお供えします。こちらも毎日取り替えてお供えします。お水は浄水と呼ばれ、清浄なお水を使用するとされていますが、一般家庭では中々そうもいきませんので水道水で構いません。
朝のお参りが終わったらお花以外のお供えした物はお下がりとして頂きます。
お水は施しの水として植木にあげるといいでしょう。
茶湯器

 

線香差し

お線香を差して置く仏具です。お参りは毎日行うものですので、使いやすいようにお線香を差しておきます。これは5具足の仏具セットの場合は線香差しが抜かれる場合がほとんどです。
線香差し

 

 

6具足以外の仏具をご紹介を致します

リン(お鈴)

お仏壇の前、もしくは中に置いてお参りする際に鳴らす仏具です。正式にはお経をあげる時の開始と終わりなどの合図に使う物ですが、ご家庭ではお参りの時に使われているのが一般的です。本来は鳴らす必要は無いのですが、透き通った綺麗な音色は心を落ち着かせてくれますし、極楽浄土まで届く音色と言われています。
リン

当店では「たまゆらりん」が現在一番人気のおリンで長い音色が特徴です。グッドデザイン賞を受賞した仏具になります。
 

高杯(高月)

お菓子や果物をお供えする為の仏具です。旬の果物や頂いたお菓子などを、半紙を敷いてその上にお供えします。
お供えした物は無駄にはせずに頂きます。ただしお腹を壊してはいけませんで、お供え時の保管には注意しましょう。
高杯は必ず必要な物ではないですが、お盆や法要時に使われる事も多いのでご用意しておくと便利です。仏具セットの中に含まれている仏具は
なかなかありませんが稀にあります。基本的には単品で購入する仏具となります。
高坏
※初物を頂いた時は、まず最初の仏様にお供えをするのが基本です。その後、お下がりとして頂きます。
 
 

その他の仏具や小物

香炉灰・香炉石

香炉は中に香炉灰を入れて使います。昨今ですと洗って使える香炉灰や灰の代わりに天然石を用いた香炉石なども出ており、数種類の天然石がございます。洗って何度でも使えるので経済的ですし、天然石には古来より不思議な力が宿るとされており、例えば水晶には浄化の力があると言われています。気を正し、清らかにする高い浄化力があり、雑念を振り払い集中力を高める作用もあるとされています。毎日お参りするお仏壇に入れておくにはピッタリかもしれません。
その他の天然石の力についてはまた別の機会でご紹介したいと思います。

洗って何度も使える香炉石

 

お線香・ローソク

当社ではお仏壇をご購入頂いた方にサービスでお線香とローソクを付けさせて頂いております。
お線香ですが実は非常に多くの種類のお線香が販売されております。当社でも多数取り扱っておりますが、様々な香りのお線香があり、逆に香りのしないもの、煙の少ないものなどございます。
お線香

ローソクにも種類がございます。丸い形の物や装飾台とセットの物、長時間使えるものや10分程度しか使えない物。ビールジョッキの形をしている物もあったりします。故人の好きだった物を探してみるのも良いかもしれません。

ロウソク

以上が仏具の種類、飾り方についての説明となります。お参りは毎日の事と思います。
それぞれの意味、役割を知る事でお参りの仕方も変ってくるのではないでしょうか。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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