「お位牌は国内で作られた日本製の良いものを選びたい」という方に向けた記事です。
国内で生産されているお位牌の各産地の特徴や代表的なお位牌などを詳しくご紹介させて頂きます。初めてのお位牌選びに是非参考にして頂ければ幸いです。
海外製のリーズナブルなお位牌でも良いですが、お位牌は亡くなった後の故人様を表すものなので国産のお位牌にこだわって頂きたい。
そんな想いを込めて当店ルミエールは各国産位牌メーカーと協力の上、お客様に高品質な「国産位牌」をどこよりも丁寧に届け続けております。
国産位牌の各産地別の特徴や代表的な国産位牌をご紹介
1.【福島県会津若松市】国産位牌のシェアNO.1の「会津位牌」
国産位牌を語る上で必ず中心的な存在となるのが会津位牌。福島県の会津若松市で作られたお位牌を指します。当店が取り扱っている会津位牌は会津の中でも最大手メーカー品で、原木の製材から塗り、仕上げまで一貫生産体制で「会津若松製」にこだわり丁寧に作られています。
もともと会津若松は漆器などの漆塗りが盛んな地域で、会津で作られた漆塗り製品は「会津塗り」と呼ばれます。その歴史は古く、500年以上の歴史があります。漆塗りの産地として有名な「輪島塗り」の発展は会津の塗師を招いたことから始まりましたので、実は輪島塗より古い歴史があります。また漆器やお位牌の上に絵付けをする下記の画像のような「蒔絵(まきえ)」も非常に盛んな地域で塗り位牌に蒔絵を施したお位牌も多いです。
会津位牌の代表的なお位牌を紹介【唐木漆位牌】
唐木漆位牌シリーズは唐木(黒檀や紫檀)に透明な透き漆を施したお位牌のシリーズです。通常、唐木位牌は艶のないマットな質感のものが多いのですが、透き漆を施すことで美しい木目が際立ち、経年経過の美しさ(耐久性)が格段に向上されたシリーズです。
会津位牌の代表的なお位牌を紹介【モダンシリーズ】
会津の位牌職人が伝統の技術を駆使して作り上げた究極のモダン位牌シリーズ。お位牌の表面は銀箔で漆芸が施されています。シンプルなフォルムがどのようなお仏壇にも合わせやすいと人気です。現在ルミエールでは7色展開で販売中です。
会津位牌の代表的なお位牌を紹介【みはねシリーズ】
「会津位牌」の純国産品質で作られている、小さくて可愛いモダン位牌シリーズ。国産の樺(カバ)材を使用した純国産品質。5色のカラーバリエーションで故人様のイメージに合わせてお選びいただけます。
会津位牌の代表的なお位牌を紹介【本甲丸シリーズ】
高品質な会津位牌の中でも会津職人が伝統の技術を駆使して作り上げた究極の最高級位牌シリーズ「本甲丸(ほんこうまる)」。色に深みがあり奥行感を感じられる最高級位牌です。ルミエールで取扱っているカラーは現在5色展開で販売しております。
2.【石川県輪島市】国内外に知られる最高峰の「塗り」、高級位牌が中心の「輪島塗位牌」
能登半島の北西に位置する石川県輪島市。輪島塗りは重要無形文化財指定を受けている日本の伝統技術で「世界最高峰」の漆芸と称されています。 鏡のような鏡面の輪島塗位牌は上質で最高級の仕上がりとなっております。
輪島塗の特徴として珪藻土の一種の黄土、「輪島地の粉」という土を漆に混ぜると頑丈な下地をつくることができ、輪島塗は美しいだけでなく、堅牢な漆塗りを行えます。技術だけでなく、輪島の自然もとても漆塗りに適した土地と言えます。そして、フチや角など強度が弱くなりがちなところに布をかぶせる「布着せ」という輪島独自の工法もあり、これにより、輪島塗は、いっそう堅牢なものになり、「本堅地(ほんかたじ)」と呼ばれる技法が生まれました。この堅牢性に優れた輪島塗は評判となり、現代に受け継がれています。なので輪島塗のお位牌の塗りは非常に強固な塗りで美しい鏡面に仕上がっています。
輪島塗位牌の代表的なお位牌を紹介【輪島塗位牌 勝美】
お位牌の昔から続く形で「勝美型」という形があります。勝美型は江戸時代からつたわる春日型にアレンジを加えた形です。台座中央部分の凹凸部分が特徴的です。漆塗りの技法「金虫食い塗」という技法で凹凸にした下塗り部分に金箔などを置き、その上に漆を塗り重ねて研ぎだす技法です。お仏壇に入った時にとても存在感がでます。
また余談ですが、一昔前は、東日本は勝美型のような幅広のお位牌で、西日本は細身のお位牌が多いという背景もありました。
3.【和歌山県橋本市】真言宗の聖地「高野山」の麓で作られている「高野位牌」
高野位牌(こうやいはい)とは和歌山県で製造されるお位牌で、真言宗の総本山である「高野山」の麓で純国産品質にこだわり作られています。始まりは仏教の聖地でもある「高野山」へ納めるお位牌として製造が始まった高野位牌。古くは天皇家や徳川家のお位牌もこの高野位牌で作られ、納められた歴史があります。
高野位牌の特徴は大量生産せずに木地師、塗師(ぬし)、箔押師、蒔絵師といった名匠が、ひとつひとつの位牌に丹精をこめ、手作業で入念に仕上げていきます。伝統工芸品ともいえる美しい仕上がりを誇るお位牌です。
高野位牌の代表的なお位牌を紹介【高野位牌 銀杏呂門 蒔絵入り 面粉 黒】
奈良県にある吉野山には平安時代頃から桜が植え続けられてきました。そして、良質な桧もとれます。古来より神社仏閣で使用されている桧を材料に、日本人の心にある花「桜」の模様を、繊細な蒔絵で描きました。
高野位牌の代表的なお位牌を紹介【高野位牌 極上京千倉 吹蓮華 面粉 裏金】
先程余談でもお話しましたが、一昔前は、東日本は幅広のお位牌で、西日本は千倉のような細身のお位牌が多いという背景もあったとお話しましたが、こちらは西日本の方に広く普及している「京千倉」です。
また台座の蓮の部分に注目して下さい。これは「吹蓮華(ふきれんげ)」といって一枚一枚の手彫りの花びらが独立した作りになっています。製作に非常に手間のかかる高級位牌の証です。
国産位牌各産地まとめ
国産位牌の有名な3つの産地についてご紹介させて頂きました。国産位牌の生まれた背景を少しでも知って頂き、その上で選んで頂ければ当店もお位牌職人もこれほど嬉しいことはありません。皆さまが故人様に見合うお位牌をお選び頂くことを心より願っております。最後までご視聴頂きありがとうございました。