本日は天台宗のお位牌の作り方をお教えいたします。
天台宗の方はこちらのページをご覧いただければお位牌作りで迷われることはないかと存じます。
実はお位牌作りは宗派ごとに変わる部分はそんなにないのですが、
宗派ごとによくある間違いやすい部分などもありますので、その点も含めてご紹介いたします。
天台宗のお位牌の基礎知識
まず天台宗のお位牌の必要性について
宗派によってはお位牌を作らない宗派もありますが、天台宗は通常お位牌を作る宗派です。なので天台宗の場合はお位牌を作ることをオススメします。お位牌は故人の魂が宿る供養の対象となります。
詳しくは「お位牌とは」のページをご覧ください。
そもそも天台宗はどんな宗派なのか
天台宗は、平安時代に伝教大師(最澄)が中国の唐で法華経にもとづく天台学を修得し、さらに密教や禅など幅広く教えを受けて、京都の比叡山にある延暦寺で開いた宗派です。天台宗の歴史は深く、日本仏教の礎として、浄土宗の法然、浄土真宗の親鸞、臨済宗の栄西、曹洞宗の道元、日蓮宗の日蓮などの名僧を輩出していく元となる宗派です。
49日法要時に「白木位牌(仮位牌)」から「本位牌」へ魂を移し替えてもらう
通夜・葬儀の際から49日法要までは白木位牌を使用しますが、49日法要までに本位牌をご自身で用意します。本位牌の用意の際に購入する場所については当店のような仏壇店や葬儀社で用意するのが一般的です。
49日法要の際には「白木位牌」と新しく作った「本位牌」を用意し、法要を行い、入魂して頂きます。
お位牌の入魂に対するお寺さんに渡す熨斗袋は「お布施」の熨斗袋に合わせて入れる形となります。
もしお仏壇と共に「ご本尊(仏像や掛け軸)」を新しく購入したりした場合には、「開眼供養御礼」の熨斗袋も用意して渡します。
天台宗のお位牌の種類の選び方はどれを選んでも問題ありません
天台宗では位牌のデザインや種類について決まりはありません。
「故人のイメージにあったお位牌」「ご先祖様のデザインに合わせた位牌」「お仏壇の雰囲気に似合う位牌」など自由にお選び頂いて問題ありません。
様々なお位牌の種類がありますので是非ご覧ください。
夫婦連名で作る「夫婦位牌」でも良いでしょう
お位牌は1人1基が基本ですが、夫婦連名で作る夫婦位牌で作ることもできます。夫婦位牌の場合は片側に文字入れをして、もう片側は開けておくといった感じになります。または夫婦両名が亡くなられた際にひとつのお位牌にまとめるといった形で作ることが多いお位牌です。
経年経過後のお位牌は回出位牌や先祖位牌としてまとめます
古いお位牌がお仏壇の中に多くなるとお位牌がお仏壇内に収まらなくなるケースがあります。故人様の法要が33回忌や50回忌までいくと弔い上げといってその方の法要を終わりにするのが一般的ですが、その際に回出位牌や先祖位牌に移すことがあります。またお仏壇内にお位牌が入りきらなくなってしまい、弔い上げを待たずに回出位牌などに移してしまうことも多々あります。
ただし、亡くなったばかりの新仏様を回出位牌にいれることは良くないといわれております。あくまで最初は本位牌でご供養されるのが正式です。
詳しくは「回出位牌」のページをご覧ください。
また複数のお位牌をまとめるもう一つの方法として「先祖位牌」というものがあります。「徳川家先祖代々之霊位」という文字入れをする位牌でご先祖様のお位牌を一つにまとめることができます。
天台宗のお位牌の作り方
【天台宗の梵字】はあまり入れませんが、いれるなら「ア」の梵字となります
お位牌は宗派によって梵字・冠文字を戒名の上に記載します。梵字・冠文字とは宗派のロゴのようなもので、戒名の上に彫ります。
天台宗の場合は「ア」という梵字となりますが、あまりいれない方が多いです。
また浄土宗と同じ「キリーク」という梵字をいれるケースもあるようです。
そもそも、梵字の「ア」は大日如来を表す梵字で、「キリーク」は阿弥陀如来を表す梵字ですので天台宗は特定の本尊を定めない宗派のためどちらをいれることもあるのでしょう。(詳しくは天台宗のご本尊・脇侍の選び方と宗派作法をご覧ください。)
ご先祖様の位牌に既に入っている場合などは合わせる形でもよいでしょう。
戒名の下の置字は【霊位から位へ】変える
白木位牌の戒名の下にある置字の「霊位」という文字は、本位牌では霊を抜いて「位」のみに変えます。
これは49日を境に霊から仏になるということからこのようにします。
ですが「位」は入れても入れなくてもどちらでも問題ないとされています。入れる方の割合的には当店では9割以上の方が入れられます。
没年月日の下に「没」「寂」の文字がある場合はあまり本位牌へはいれない
亡くなられた没年月日ですが、白木位牌には「令和●年●月●日没」や「令和●年●月●日寂」と入ることがありますが
この文字は本位牌の場合はあまりいれることのない文字となります。
ご先祖様のお位牌に既に入っていた場合は合わせても良いでしょうが、
本来はほどんど入れない文字となります。
年齢の表記の「行年 or 享年」について
お位牌の年齢部分ですが、行年●●歳と入れるわけなのですが、ややこしいことに「行年 or 享年」2つの言い方があります。
他サイトを見ると「行年 or 享年」について説明しておりますが、見れば見るほどどっちだか悩むだけです。なので詳しい説明はお客様が悩む原因となりますので割愛します。なので下記の通りに作って頂ければ間違いありませんのでご参照ください。
・白木位牌に書いてある通りに記載する
・お墓を作成する場合はお位牌と表記を合わせた方が良い
・既にご先祖様の位牌があればなるべくその年齢表記に合わせる
この3点を考慮の上作成すれば後悔することはまずありません。
もし「既にあるご先祖様のお位牌」と「白木位牌」に記載している「行年 or 享年」の表記が異なる場合は入魂してもらう住職に相談すると良いでしょう。
下記は詳しく知りたい方のみご覧ください。(混乱を避けたい方は見なくてOKです)
年齢は数え年か満年齢か?
これはどちらが正解といいきれない部分があります。お位牌を作る際は下記の3点を考慮の上、作成すれば問題ありません。
・白木位牌に書いてある通りに記載する
・お墓を作成する場合はお位牌と表記を合わせた方が良い
・既にご先祖様の位牌があれば数え年か満年齢かを見てみる
この3点を考慮の上作成すれば後悔することはまずありません。
白木位牌は数え年となっている場合が多いので、比較的数え年でお位牌を製作される方が多いようです。
数え年と満年齢の基礎知識
「数え年」の数え方は1月1日に1歳の年をとります。またお腹の中にいる時を1歳としますので、実年齢より+1歳、かつ誕生日が来る前であれば実年齢より+2歳があり得ます。
「満年齢」の数え方は現代の0歳から数える通常の年齢の数え方です。
下記は詳しく知りたい方のみご覧ください。(混乱を避けたい方は見なくてOKです)
まとめ
いかがでしたでしょうか。以上が天台宗の方に向けたお位牌の作り方でした。
天台宗の方のお仏壇に飾るご本尊の飾り方は「天台宗のご本尊・脇侍の選び方と宗派作法について」をご覧ください。
お位牌はよく「亡くなった故人様への最後の贈り物」などといわれたりします。
この記事をご覧の皆様は大切な故人様の為にしっかりとお位牌を選ばれているかと存じます。
その気持ちが故人様は嬉しいのではないでしょうか。故人様に想いが届くと良いですね。
最後までご視聴頂きまして誠にありがとうございました。