お仏壇に関するQ&A
お仏壇の芯材について教えて下さい。
一般ユーザーは「木材で出来たお仏壇はすべて同じ木材で出来ている」と思われることが多いのですが、実はお仏壇も家具もそのケースはあまりありません。
一般的にお仏壇や家具の表面に見えている木材は、薄くスライスした木材を表面に貼りつけていて、内側の芯材は木質繊維板(MDF)と言われるものを使用するケースがほとんどです。
仏壇公正取引協議会の芯材の定義は「お仏壇の台輪・戸板・戸軸の芯材の50%以上使用しているものを芯材の表記とする」とされています。お仏壇に使われることのある芯材は大きく分けて下記の4種類です。
無垢(ムク)総無垢や単に無垢ともいいますが、表面材と同じ木材で芯材まで同じ木材で作る加工を言います。お値段は工数と材料費が非常にかかる為、高額になります。作りは木材が加工後も呼吸するため、高い技術をもった工場が作らないと反りや割れが発生しやすく「扉が閉まらなくなった」などの問題が発生しやすくなります。木材はしっかりと長い年月をかけて乾燥したものを使用するのが制作時のベースとなります。
ですがそれでも木材の反りや割れなどの木の動きをゼロにすることは出来ないので設計段階から反りなどが発生しても良いように扉にあらかじめ隙間を設けたものとすることが多くあります。
天然木天然の木材を芯材として作られるお仏壇もあります。昔ながらの唐木仏壇などは天然木が芯材のお仏壇が数多くあります。天然木は木材の種類を表示する義務はないので、実際の天然木に何が使われているのかを表示している仏壇店は非常に少ないです。当店では「和モダン仏壇 導理 紫檀」や「和モダン仏壇 導理 本黒檀」などはニヤトー(別名:南洋桜)という桜の木に似た性質の木材を使用したりしています。目には見えない部分になりますので高級な木材を芯材として使用することはほとんどありませんが、工数がかかるため、高価となります。また天然木はMDFなどと比べ、人口的に作ったものではないので、その部分から好まれることが多いです。
天然合板合板は文字の通り、「板を合わせて接着した芯材」です。ベニヤ板などとも呼ばれたりします。木材はカラマツ・スギ・パインなどを使用して板を重ねて合板を作ります。ホームセンターなどに行くと売っている板などを想像して頂くとわかりやすいかもしれません。こちらは芯材表記で表記されることはあまりないのですが、加工性に優れておりお仏壇に使われることの多い芯材です。
木質繊維板(MDF)MDFは「木のチップをぎゅっと圧縮して接着剤で固めたもの」です。なので無垢材のように木材が呼吸することはなく、変形することはない為、品質は非常に安定します。
「MDFは嫌だ」という方もいますが、これは一昔前の「海外製のMDFの悪いイメージ」が定着しているためと思われます。国内でつくられるMDFは内部に使う「木のチップの材質」や「接着剤などの種類」まで規格化されていますので安心です。
また重量は無垢材よりも重くなる場合が多く、お仏壇がずっしりとした重量感になります。