東日本大震災から六年~ずっと変わらぬ祈り

皆様こんにちは、WEB担当の笹森です。
今日で東日本大震災から早いことに6年が経過しました。
 
あの時、私は福島県の相馬市という場所に住んでいたのですが、
あの震災を境に色々なことが目まぐるしく変化して今に至ります。
 
一週間ほど前に、仙台市に住んでいる社長さんと食事をする機会がありました。
その中で
その社長さんは震災の時に東京の好意にしているお肉屋さんに50万円を現金で渡して、
「近所にお肉を配りたいから50万円分お肉を下さい」
といったそうです。
 
そうして東京から届いたお肉を被災地の方々に配っているとある異変に気づいたようで
「すこしお肉が多い気がする」
お肉はブロック売りなので金額がお肉に小さく記載されているようなのですが
それを計算してみるとざっと170万円分位あったそうです。
 
それに気づいた社長さんがお肉屋さんにこの事を電話すると
「これぐらいしかできないから」
と東京のお肉屋さんはお肉をくれたそうです。
 
この話を聞いてもう一つ自分の知らない新たな東日本大震災を知りました。
 
その社長さんはその他にも東京からタンクローリーにガソリンを積んで地元に無償で配ったりして
合計400万円を地域の為に使ったとのお話を聞きました。すごく立派な方だなと思いました。
 
仏教では「お布施」という言葉があります。お寺さんに様々な供養してもらうときに渡すお金が「お布施」です。お布施は自分の持っている物の価値にとらわれずに他人にあげるというもので、仏教では大切な修行の一つとされています。
 
 
近年は仏教離れする人々も多いと言われています。でも仏教の教えは確実に日本人の心の奥底に道徳観として深く根付いています。そして仏教は僕らが考えているよりももっともっと深いものです。
 
この社長さんやお肉屋さんもきっと意識はしていないけど、仏教の道徳観(お布施の心)が根底に根付いているんだろうなと思いました。
 
もう少しで3月11日2時46分を迎えます・・・
 
3月11日には東日本大震災でなくなった方々を、そして被災された方々を供養したいという気持ちは毎年、自然と生まれます。
 
毎年、黙祷(もくとう)しながら僕の頭の中を駆け巡るのは、震災後に残された家族の姿です。
自分は以前、福島県の会社にいたのですが先輩でご家族を亡くされた方がいました。その先輩は僕たちには悲しがっている素振りも見せずに、震災後もすぐに仕事をしていました。話しかけても今までと同じような明るい対応だったのを今でも鮮明に覚えています。
 
今にも泣き出したい悲しいキモチをかみしめて仕事していたはずです。きっと僕なら仕事すらできていなかったでしょう。とても立派な方でした。東北にはそんな方々がたくさんいると思います。
 
被災された方、被災された方を見てきた方、ニュースで被災地を見た方、それぞれ立場も違えば感じ方も変わります。
そして今思うのは、あの時の気持ちや感じたことを今でも忘れてはいけないということ。
 
実際に被害に合っていない私達は、一年一年、震災から遠ざかっていくたびに、震災の記憶も少しずつ遠ざかっていきます。
ただ家族を亡くされた方々にとっては、あの時から時を進められずにいる方もたくさんいると思います。
周りにいる私たちはそんな方々を少しでもサポートして一緒に歩んでいくという気持ちを今一度考えるきっかけになればなと思います。
 
そしてこのブログを読んで頂いた方々もお布施の心を忘れずに一日一日を過ごしてみて下さい。人への優しさはきっと連鎖します。そんな優しさの輪がどこまでも広がり、被災された方々にも届けばいいなと思います。
 
被災された方々、そのご家族の方々のご冥福を心よりお祈りいたします。

3.11
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