浄土真宗佛光寺派のご本尊・脇侍の種類・選び方

このページでは「浄土真宗佛光寺派」における本尊・脇侍はどのような仏を飾るのかと、浄土真宗佛光寺派の本尊・脇侍の飾り方の知識を深めて頂くためのページです。普段、宗派に関心のない方も、「こんな宗派だったんだ」と知るきっかけになれば嬉しいです。また自身の宗派が分からないという方は「家の宗派を確認する方法」をご覧いただき、自身の宗派を特定してからご覧ください。

浄土真宗佛光寺派の総本山 佛光寺

そもそも浄土真宗佛光寺派ってどんな宗派?

浄土真宗佛光寺派は、浄土真宗の13派の一つで、京都市下京区にある佛光寺を総本山とします。親鸞聖人の高弟である真仏上人の弟子・了源上人を開祖とし、阿弥陀如来の慈悲に基づいた教えを広めています。佛光寺派は、京都を中心に信徒が多く、寺院数は浄土真宗の中で4番目に多いとされています。他の浄土真宗の宗派と同様に、仏壇には位牌を設けない点が特徴です。「仏光寺」と新字体で表記されることもありますが、正式表記は「佛光寺」です。最盛期には、まだ本願寺が発展途上だった時期に寺勢を大きく上回り、浄土真宗の中心的存在とされていました。現在も佛光寺派の総本山として、地域社会に根差した活動を続けています。

浄土真宗佛光寺派のご本尊・脇侍

お仏壇左側十字名号 お仏壇中央阿弥陀如来(後光7本) お仏壇右側九字名号
浄土真宗佛光寺派のお仏壇の脇侍の十字名号 浄土真宗佛光寺派のお仏壇の本尊の阿弥陀如来(後光7本) 浄土真宗佛光寺派のお仏壇の脇侍の九字名号
十字名号は「帰命尽十方無碍光如来」と書かれています。意味は「滞る事なく十方を照らして、どんな隅々の者までもお救いくださる仏様に帰依します」という意味です。佛光寺派の場合は浄土真宗大谷派とは逆で左に十字名号を飾るので注意が必要です。 立った姿の阿弥陀如来像です。阿弥陀如来も様々な阿弥陀如来の掛け軸がありますが、絵像の後光は上部が7本です。後光とは阿弥陀如来の上部のオレンジの光の本数です。ルミエールの掛け軸では一部アイテムが対応可能です。阿弥陀如来は直ちに人を救おうとする姿勢のため少し前に傾いています。「南無阿弥陀仏」と唱えたあらゆる人々を必ず極楽浄土へ導くとされています。 九字名号は「南無不可思議光如来」と書かれています。意味は「私たち人間では到底思い量る(思議)ことのできない大いなる仏様に帰依します」という意味です。佛光寺派の場合は浄土真宗大谷派とは逆で右に九字名号を飾るので注意が必要です。

ご本尊・脇侍の「お仏壇への飾り方」

ご本尊のみで飾る場合

掛け軸のみで飾る 仏像のみで飾る 仏像+ミニ常花で飾る
浄土真宗佛光寺派の本尊を掛け軸のみで飾るイメージ 浄土真宗佛光寺派の本尊を仏像のみで飾るイメージ 浄土真宗佛光寺派の本尊を仏像+ミニ常花で飾るイメージ
ご本尊を掛け軸のみで飾る方法です。仏像に比べて少し略式となりますが、おしゃれな掛け軸などもありますのでシンプルなデザインにすることもできます。 ご本尊を仏像で飾った例です。仏像で飾ることで存在感があり、お仏壇の存在感が出てきます。 ご本尊を仏像で飾り、その脇に仏教で重要とされる蓮の花の「ミニ常花」を飾ることで、ご本尊を引き立てるおすすめの飾り方です。

ご本尊+脇侍をしっかり飾る場合

掛け軸(3尊)で飾る 仏像+掛け軸(両脇)で飾る 仏像(3尊)で飾る
浄土真宗佛光寺派の本尊を掛け軸(3尊)で飾るイメージ 浄土真宗佛光寺派の本尊を仏像+掛け軸(両脇)で飾るイメージ 浄土真宗佛光寺派の本尊を仏像(3尊)で飾るイメージ
掛け軸(3尊)で飾る方法です。3尊飾ることで浄土真宗佛光寺派の教えに、より沿うお飾りとなります。おしゃれな掛け軸などもありますのでシンプルなデザインにすることもできます。 ご本尊を仏像で飾り、両脇を掛け軸で飾る方法です。仏像で飾ることで存在感があり、また浄土真宗佛光寺派の教えに、より沿うお飾りでとても丁寧な飾り方です。 本尊・両脇侍ともすべて仏像で飾る方法ですが浄土真宗佛光寺派の場合は両脇侍が絵柄のため仏像では飾ることはできません。

浄土真宗佛光寺派の知識とお参りの作法

総本山

佛光寺(京都市下京区)。親鸞聖人の高弟・了源上人によって発展した、浄土真宗佛光寺派の中心寺院です。

主な経典

浄土三部経(『仏説無量寿経』『仏説観無量寿経』『仏説阿弥陀経』)。阿弥陀如来の救いの教えを伝える重要な経典です。

線香の本数

線香は本数にこだわらず、香炉に寝かせて供えます。

お唱えする言葉

南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)。浄土真宗佛光寺派では「南無阿弥陀仏」を声に出して唱え、阿弥陀如来の救いに感謝します。

南無阿弥陀仏とは

南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)の意味は、阿弥陀如来への「帰依します」「お任せします」という信仰と感謝の表現です。
  • 南無(なむ):サンスクリット語の「ナモー」から来ており、「帰依する」「頼る」という意味。
  • 阿弥陀仏(あみだぶつ):無限の光と命を象徴する仏様で、すべての人を救う存在。
念仏を唱えることで、阿弥陀如来の救いを信じ、極楽浄土への往生を願います。佛光寺派では、念仏そのものが阿弥陀如来のはたらきそのものであると教えられています。

浄土真宗佛光寺派の主な年間行事

1. 春彼岸会(ひがんえ)

  • 時期:3月18日~3月24日(春分の日を中日とする7日間)
  • 内容:阿弥陀如来への感謝と念仏を中心に法要を行い、仏縁を深める期間です。
  • 理由:先祖供養ではなく、阿弥陀如来の慈悲を再確認し、往生を願う機会です。

2. 秋彼岸会(ひがんえ)

  • 時期:9月20日~9月26日(秋分の日を中日とする7日間)
  • 内容:春彼岸会と同様に、阿弥陀如来の救いに感謝し、念仏を通じて仏縁を深めます。
  • 理由:阿弥陀如来の教えを再確認する重要な行事です。

3. 盂蘭盆会(うらぼんえ / お盆)

  • 時期:7月13日~7月15日(地域によっては8月13日~15日)
  • 内容:阿弥陀如来に感謝し、念仏を唱え、家族で仏前に集います。
  • 理由:「仏恩報謝」の精神を大切にし、仏法を学び直す機会です。

4. 報恩講(ほうおんこう)

  • 時期:1月16日を中心に1週間程度
  • 内容:親鸞聖人の命日を記念し、念仏の教えに感謝する佛光寺派最大の法要です。
  • 理由:親鸞聖人の教えを受け継ぎ、仏法を聞き続ける意義深い行事です。

5. 永代経法要(えいたいきょうほうよう)

  • 時期:寺院によって異なるが春や秋に行われることが多い
  • 内容:故人を偲びつつ、阿弥陀如来の救いに感謝する法要です。
  • 理由:亡き人への供養よりも、生きている人々が仏法を学ぶ機会とされます。

6. 修正会(しゅしょうえ)

  • 時期:1月1日~1月7日頃
  • 内容:新年を迎え、阿弥陀如来の働きに感謝し、仏縁を深める法要です。
  • 理由:新年に念仏の教えに立ち返る伝統的な行事です。