お仏壇・お位牌に使われる「木材の種類」の解説

お仏壇やお位牌の原材料には、黒檀・紫檀・ウォールナットといった銘木が使われています。 銘木というだけあって木目が美しく、格調高い趣があるのが特徴です。

特に高級木材の黒檀・紫檀においては類似木材が黒檀・紫檀と表示されることのない様に細かく分類されております。これは「仏壇公正取引協議会」で厳しく定められています。

下記はお仏壇・お位牌によく使用される木材の材質です。選ぶ際の参考にして下さい。

【1】モダンなお仏壇/お位牌によく使用される木材の種類

モダン仏壇/モダン位牌に使われる木材はウォールナット・メープル・オークなどの北米材が主流です。家具などにも広く使われる木材で、これらの木材でお仏壇が作られるとどこか「洋風」の雰囲気を感じられます。


ウォールナット(和名:クルミ)【産地:主に北米産】

世界三大銘木の一つであるウォールナット材は日本で言う胡桃(くるみ)の木のことです。木材の中でも最高ランクの評価を得ているこの木材は、「家具材のロールスロイス」とも呼ばれ、チェアやテーブル、キャビネットといった高級家具や世界の高級車のウッドパネルなどにも使われています。アメリカンウォールナットやブラックウォールナットなどと呼ばれますがこれはアメリカ産のウォールナットを指します。色合いの特徴としては「濃い目の茶色」となります。

ルミエールの参考ラインナップ

ミニ仏壇 KAKOI ウォールナット 家具調仏壇 ノア ウォールナット無垢 15号 家具調仏壇 森樹 フロアタイプ
寄木の位牌 「森音」 ウォールナット × メープル 無垢の位牌 「SUQQUE」 ウォールナット インテリア位牌 「連」

オーク(和名:ナラ)【産地:主に北米産】

「ドングリのなる木」として親しまれているのが、オーク(ナラ材)です。一般的に日本・ロシアで採れた木材をナラと呼び、北米で採れた木材をホワイトオークと呼ばれます。お仏壇に使われるのは主に北米産のホワイトオークです。特徴としては真っすぐに伸びた木目が美しく、高い強度を誇っています。木理が通直な為、非常に加工も容易で、更に湿気、虫害の両方に対して非常に高い耐性も持っており、傷が付き難い木でもあります。ギリシャ神話では聖木として崇められ、その威厳のある美しい樹形から、英国では KING OF FOREST(森の王)と尊ばれてきました。

ルミエールの参考ラインナップ

ミニ仏壇 KAKOI オーク 家具調仏壇 潮路 オーク 16号 MJUK ミューク サイドボード オーク 120

タモ(別名:アッシュ)【産地:主に中国・ロシア】

どこか優しい雰囲気の木目のタモは力を加えても折れずに「たわむ」木の性質から、その名が付いたように、タモは強さとしなやかさを兼ね備えており、加工性にも優れています。そのため、家具だけではなく、建築物や楽器、野球のバットなどにも、幅広く使われています。和室の畳にもよく合います。色合いの特徴としては「明るい肌色(黄色が若干強め)」となります。

ルミエールの参考ラインナップ

モダンミニ仏壇 レクエ ナチュラル色 13号 モダンミニ仏壇 パルテ ナチュラル 14号 モダン仏壇 リコルテ タモ

メープル(別名:カエデ)【産地:主に北米産】

ご存知メープルシロップのメープル(楓・かえで)です。硬いハードメープルと軟らかいソフトメープルがあり、お仏檀にはハードメープルが用いられます。ハードメープルに縮み杢が出ると「カーリーメープル」玉杢の小さな模様が出ると「バーズアイメープル」と呼ばれます。メープルの色合いの特徴としては「明るい乳白色(オークより黄色が少な目)」となります。表面はやらかくすべすべとした木肌で、その色合いの美しさは清潔感が漂います。

【希少な木目】バーズアイメープルとは

ハードメープルに2000本に1本の割合で玉粒状の美しい模様が材の表面に現れたものが「バーズ・アイ・メープル」と呼ばれています。光沢のある美しい杢目をもつことなどから別名「木の大理石」も呼ばれ、自然の作り出した芸術として人気を集めています。ギリシャ神話の中で『幸せを呼ぶ木』といわれ、英国エリザベス女王の居室にも使われていることや外車のロールスロイスなどの高級自動車などの内装に使用されています。

ルミエールの参考ラインナップ

寄木の位牌 「森音」 メープル × ウォールナット 無垢の位牌 「SUQQUE」 メープル 新世紀位牌 ひなた メープル

樺桜 -カバサクラ-(別名:バーチ)【産地:カバザクラは主に北海道・東北、バーチは主に北米産】

緻密な樹肌と木材の様子が桜材と良く似ていることから「カバザクラ(別名バーチ)」と呼ばれています。当店サイト内では北海道・東北地方で取れたものをカバサクラ、北米産のものをバーチという名前で表記してます。分類でいうと桜科ではなく、樺科の木材で、広葉樹の女王と称されるくらいに素直で気品のある木材です。重硬で、耐摩擦性があり、平らな面をいつまでも保持できる特徴があります。色合いの特徴としては「明るい乳白色(黄色が少なくてメープルに似ている)」となります。

ルミエールの参考ラインナップ

家具調仏壇 ノア バーチ無垢 15号※北米産バーチ モダン仏壇 スクエア バーチ 15号※北米産バーチ salvia キャビネットチェスト バーチ 105※北米産バーチ
モダンミニ仏壇 夢SO 桜 13号※国産カバザクラ モダン仏壇 桜華 18号/20号※国産カバザクラ モダン仏壇 桜華 台付きタイプ※国産カバザクラ

シカモア【産地:主にヨーロッパ産(フランス産が最高の材)】

主にヨ-ロッパ中部地方でとれるシカモアは色が白く、まるで絹を思わせるような光沢があります。古代ローマ時代から「王者の樹」として王侯貴族に珍重され、イギリス王室専用船の内装材としても使用されたり、バイオリンやギタ-などの高級な楽器の表面材などにも使われており、ストラディバリウス(落札価格が12億7420万円のバイオリン)に使用された事は有名です。色合いの特徴としては「明るい乳白色(メープルよりも白みが強い)」となります。

ルミエールの参考ラインナップ

最高級モダン仏壇 フィーノ シカモア※シカモア材を鏡面仕上げ スマート仏壇 フローヴ 14号※内部背面のみシカモア、ほぼ無着色 ミニ仏壇 ヴェール 13号※内部背面&床のみシカモア、ほぼ無着色

ニューギニアウォールナット(別名:ダオ)【産地:主に東南アジアやパプアニューギニア】

クルミ科のウォールナットとは全く別の木材でウルシ科の広葉樹です。ブラックウォールナットの代用として用いられることが多い木材です。濃淡のある黒の縞模様が特徴で、この縞の出方は、同じ産地であっても丸太によって違い、その出方によって品質が決められます。縞がごく僅かしかないものは低価格で取り扱われています。また仕上がり面は非常に滑らかです。

ルミエールの参考ラインナップ

家具調仏壇 ヴァーグ 20号 ニューギニアウォールナット 家具調仏壇 ヴァーグ フロアタイプ

【2】和風のお仏壇/お位牌によく使用される木材の種類

唐木仏壇や唐木位牌に使われる木材は紫檀・黒檀などが主流です。またケヤキ材なども唐木仏壇や和風家具に使われたりします。これらの木材でお仏壇が作られるとどこか「和風」の雰囲気を感じられます。和室などを飾り場所として検討されている方はご覧ください。


黒檀-コクタン-(別名:エボニー)【産地:東南アジア・南アジア・アフリカ】

黒檀はカキノキ科の樹木で、唐木と呼ばれる高級材で、水に沈むほどの重量感、密度があります。極めて硬く、耐久性に優れ、虫や菌に侵されにくい上、乾燥性が良いという特徴があり半永久的な耐久性があります。黒檀は成長が遅く、伐採も制限されているため、非常に希少で高価な木材です。下記の通り、産地によって「黒檀」と「本黒檀」と表記できるものが異なります。色合いの特徴としては「黒色に茶色の木目」がある木材です。

黒檀の種類

  • 【本黒檀(高級)】インドネシア原産の縞模様の美しい「スラウェシ黒檀(縞黒檀)」← 当社のお仏壇は9割この種類です
  • 【本黒檀(高級)】インドやスリランカ原産の「インド黒檀(真黒)」
  • 【黒檀】インドネシア・カリマンタン島で産出される「カリマンタン黒檀」
  • 【黒檀】インドネシア・スラウェシ島のアマラで産出される「アマラ黒檀」
  • 【黒檀】スラウェシ島東部に位置するマルク諸島で産出される「マルク黒檀」

黒檀が高級材と呼ばれる理由

黒檀は他の多くの木材と比較して成長速度が非常に遅いです。一般的には、黒檀の木は1年間で約0.5cmから1cmほどしか成長しません。なので商業的に利用できるサイズに成長するには、数十年から数百年かかります。黒檀はその希少性と高価値から、多くの国で保護されています。

ルミエールの参考ラインナップ

モダン仏壇 雅 本黒檀 モダン仏壇 彩 本黒檀 和モダン仏壇 本黒檀 導理
会津唐木漆位牌 京の梅 黒檀 会津唐木漆位牌 京丸 黒檀 会津位牌 モダン黒檀

紫檀-シタン-(別名:ローズウッド)【産地:東南アジア・南アジア・中米】

紫檀はマメ科の常緑広葉樹の一種で、唐木と呼ばれる高級材です。硬い木質で、木肌は緻密なのが特徴で「紫」というより、どちらかといえば「赤茶」色をしています。油分を多く含むため磨くと美しい光沢がでます。また重量が大きく水に沈むという特徴があり、正倉院の唐木細工の中では最も多く見られ、古くから珍重されています。紫檀は成長が遅く、伐採も制限されているため、非常に希少で高価な木材です。下記の通り、産地によって「本紫檀」と「紫檀」と「紫檀系」と表記できるものが異なります。

「本紫檀・紫檀」の種類

  • 【本紫檀(高級)】インド南部で産出される「インドローズ」
  • 【本紫檀(高級)】タイ・ラオスで産出される「パイオン」
  • 【本紫檀(高級)】中米で産出される「ココボロ」
  • 【紫檀】インディアン・ローズウッドの種をインドネシアで育てた「ソノケリン」← 当社のお仏壇は9割この種類です
  • 【紫檀】タイ・ミャンマーで産出される「花梨(かりん)」← 当社のお位牌は9割この種類です
  • 【紫檀】中米で産出される「ホンジュラス・ローズウッド」
  • 【紫檀】タイ・ビルマで産出される「チンチャン」

「紫檀系」の種類

紫檀系とは紫檀の代替木材です。どの木材も紫檀に似た特徴を持つことからお仏壇業界では紫檀系と表示されることがあります。

  • 【紫檀系】主にモザンビークで産出される「パーロッサ」
  • 【紫檀系】主に中南米で産出される「パープル(別名:ボリビアンローズウッド)」
  • 【紫檀系】主に中南米で産出される「グラナディロ」
  • 【紫檀系】主にアフリカで産出される「ブビンガ(別名:アフリカンローズウッド)」

紫檀が高級材と呼ばれる理由

紫檀は他の多くの木材と比較して成長速度が非常に遅いです。一般的には、紫檀の木は1年間で約0.5cmから1cmほどしか成長しません。なので商業的に利用できるサイズに成長するには、数十年から数百年かかります。紫檀はその希少性と高価値から、多くの国で保護されています。

ルミエールの参考ラインナップ

唐木ミニ仏壇 夢SO 紫檀・柿コンビ 和モダン仏壇 導理 紫檀 会津唐木漆位牌 京の梅 紫檀
会津位牌 モダン紫檀 シンプル唐木位牌 紫檀 マット仕上げ【桜蒔絵】 モダン回出位牌 優徳 ローズ

ケヤキ【産地:日本・アジア】

ケヤキは強靭で狂いが少なく耐朽性にも優れているという実用性の高い特徴を持ち、外見的にも木目が力強くて美しい事から古来より日本国内で最良の広葉樹として扱われてきました。日本の広葉樹材では第1番の良材です。様々な用途で使われますが特にお寺の建築にはケヤキが欠かせないものとなっています。お仏壇もケヤキを使用したお仏壇は高級仏壇となります。見た目の特徴としては「黄色の強い黄土色でダイナミックな木目が特徴的」となります。

ルミエールの参考ラインナップ

時代型仏壇 平安※着色されています 時代型仏壇 桃山※着色されています 吉野民芸 車箪笥 朱色※着色されています