仏具の種類、仏具の飾り方について

仏具の種類、仏具の飾り方について

お仏壇にはご本尊やお位牌を安置する他に仏具と呼ばれるものを飾ります。仏様やご先祖様を敬ってお供物をささげ、お参りする為の道具が仏具です。荘厳(しょうごん)と言いますが、仏具でお飾り(荘厳)してはじめてお仏壇として意味を成すのです。 仏具にも当然それぞれ役割があって飾ります。今回は仏具の種類と仏具の飾り方について説明します。

【3具足】お仏壇に飾る最低限必要な仏具数

お仏壇に飾る仏具の基本は香炉・花立・火立の3種類となります。3具足(みつぐそく)と言います。 3具足の飾り例 お仏壇の大きさや種類によって数を変えることもありますが、昨今のお仏壇はインテリア性も高くなり、大きさもそれ程大きくはありません。昔の仏壇のお飾りのように11具足を入れるケースも少なくなっています。お仏壇を飾るにあたって最低限、必要な仏具数は上記のような3具足になります。もちろん一般的な仏具数の5具足・6具足となればより丁寧なお飾りと言えます。

【5~6具足】お仏壇に飾るのに一般的な仏具数

花・ローソクの灯り・線香の香り・ご飯・お水(お茶)をお供えします。これを五供(ごぐう)と言います。またそれらの仏具を5具足といいます。当社ではこの五供を基本に考えて、さらに線香立てをプラスした、6具足の物を多く取り揃えております。 5具足・6具足のお飾り

6具足の仏具をご紹介を致します

香炉(前香炉)

香炉とはお線香や抹香を焚く為のものです。お線香は棒状の物、抹香は葬儀などでのお焼香で使う粉末状の物です。 一般的なご家庭ではお線香を使用します。ちなみにお線香は煙をお供えするのではなく、香りをお供えするものです。香りの良い物を選ぶようにしましょう。 香炉 お線香の火は息で吹き消さず手で煽いで消してください。 また、あげるお線香の本数は宗派によって異なります。 天台宗・真言宗:線香を三本供えます。 浄土宗・日蓮宗・臨済宗・曹洞宗:線香を一本供えます。 浄土真宗:線香は一本を折って横に寝かして置きます。

花立て(花瓶)

花立てはお花を供える為の仏具です。生花を供える事が多いですが、近年では特殊な加工を施して永く飾れるプリザーブドフラワーなどもお供えするようになりました。3年程状態を保ちますのでお花の入れ替えの面倒もありません。法要などの行事のときだけ生花に変える、といった使い方をする方もいるようです。 花立て お供えする花は「トゲのあるもの」や「においのキツイもの」「毒のあるもの」は控えた方がいいでしょう。 常花のように金属や木などを素材として花を模した仏具もあります。お仏壇にお花と一緒に飾ると、お仏壇の品格が上がるとも言われています。

火立て(灯立て・ローソク立て)

ローソクを立てて明かりを灯す為の仏具です。お線香に火をつけるためにある、と思われてますが実は違います。お線香に火をつける為にも使いますが、「火を灯して供養する」為の仏具というのが正しい理解となります。 お線香同様、ローソクの火も息で消してはいけません。ローソク消しを使うか手で煽いで消します。 灯立て なぜ息で吹き消してはいけないのか。それは人の口から出るものは穢れているもの、不浄のものと仏教では認識されているからです。また、人に向かっていきなり息を吹きかけたりしたら失礼ですよね。失礼のない作法が大事です。

仏飯器(仏器)

ご飯をお供えする為の仏具です。炊き立てのご飯を毎日お供えします。毎日ご飯を炊かないご家庭の場合は、炊いた時で構いません。また、ご飯ではなくパン食だった場合でもパンをお供えしても問題はございません。大事なのはお供えする心です。 仏器 ただ、「生臭いもの」や「においのキツイもの」などは止めておきましょう。 「生臭坊主」なんて言葉があったりしますが、意味は仏門の身である僧侶は魚やお肉などの生臭物を食べてはいけない決まりがあるのに、それを守らずに食べる僧侶の事を言います。戒律を守らない僧侶の事です。ですので仏教では殺生を嫌いますので、魚やお肉といった物をお供えするのは控えた方がいいです。臭いのきついニンニクやネギといった物も避けましょう。

茶湯器

お水もしくはお茶をお供えします。こちらも毎日取り替えてお供えします。お水は浄水と呼ばれ、清浄なお水を使用するとされていますが、一般家庭では中々そうもいきませんので水道水で構いません。 朝のお参りが終わったらお花以外のお供えした物はお下がりとして頂きます。 お水は施しの水として植木にあげるといいでしょう。 茶湯器

線香差し

お線香を差して置く仏具です。お参りは毎日行うものですので、使いやすいようにお線香を差しておきます。これは5具足の仏具セットの場合は線香差しが抜かれる場合がほとんどです。 線香差し

6具足以外の仏具をご紹介を致します

リン(お鈴)

お仏壇の前、もしくは中に置いてお参りする際に鳴らす仏具です。正式にはお経をあげる時の開始と終わりなどの合図に使う物ですが、ご家庭ではお参りの時に使われているのが一般的です。本来は鳴らす必要は無いのですが、透き通った綺麗な音色は心を落ち着かせてくれますし、極楽浄土まで届く音色と言われています。 リン 当店では「たまゆらりん」が現在一番人気のおリンで長い音色が特徴です。グッドデザイン賞を受賞した仏具になります。

高杯(高月)

お菓子や果物をお供えする為の仏具です。旬の果物や頂いたお菓子などを、半紙を敷いてその上にお供えします。 お供えした物は無駄にはせずに頂きます。ただしお腹を壊してはいけませんで、お供え時の保管には注意しましょう。 高杯は必ず必要な物ではないですが、お盆や法要時に使われる事も多いのでご用意しておくと便利です。仏具セットの中に含まれている仏具は なかなかありませんが稀にあります。基本的には単品で購入する仏具となります。 高坏 ※初物を頂いた時は、まず最初の仏様にお供えをするのが基本です。その後、お下がりとして頂きます。

その他の仏具や小物

香炉灰・香炉石

香炉は中に香炉灰を入れて使います。昨今ですと洗って使える香炉灰や灰の代わりに天然石を用いた香炉石なども出ており、数種類の天然石がございます。洗って何度でも使えるので経済的ですし、天然石には古来より不思議な力が宿るとされており、例えば水晶には浄化の力があると言われています。気を正し、清らかにする高い浄化力があり、雑念を振り払い集中力を高める作用もあるとされています。毎日お参りするお仏壇に入れておくにはピッタリかもしれません。 その他の天然石の力についてはまた別の機会でご紹介したいと思います。 洗って何度も使える香炉石

お線香・ローソク

当社ではお仏壇をご購入頂いた方にサービスでお線香とローソクを付けさせて頂いております。 お線香ですが実は非常に多くの種類のお線香が販売されております。当社でも多数取り扱っておりますが、様々な香りのお線香があり、逆に香りのしないもの、煙の少ないものなどございます。 お線香 ローソクにも種類がございます。丸い形の物や装飾台とセットの物、長時間使えるものや10分程度しか使えない物。ビールジョッキの形をしている物もあったりします。故人の好きだった物を探してみるのも良いかもしれません。 ロウソク 以上が仏具の種類、飾り方についての説明となります。お参りは毎日の事と思います。 それぞれの意味、役割を知る事でお参りの仕方も変ってくるのではないでしょうか。 最後までお読みいただきありがとうございました。
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当記事に関連する「よくある質問」

お仏壇への「仏具の飾り方」を教えて下さい。

お仏壇への「仏具の飾り方」を教えて下さい。

お仏壇に仏具一式を飾りつけたお飾り例です。モダン仏壇は仏具の飾り付けは必要最低限の仏具5~6点セットの「仏具セット」+「おりん」を飾るのが一般的です。

①本尊・・・お仏壇の中央一番高い位置に飾ります。「仏像タイプ」「掛け軸タイプ」があります。

②脇侍(わきじ)・・・ご本尊の両脇に飾ります。脇侍も「仏像タイプ」「掛け軸タイプ」があります。

③お位牌・・・ご本尊より一段下の向かって右側が上座です。既にお位牌がある場合はその段の左側に飾ります。

④仏飯器・・・2段目or3段目の段の向かって右側に飾ります。炊き立てのご飯を毎朝お供えします。

⑤茶湯器・・・2段目or3段目の向かって左側に飾ります。お仏壇の段(須弥壇)が2段しかない仏壇の場合はご本尊の足元に置きます。

⑥花立て・・・左の下の段に置きます。常花や生花を供える際に使用します。常花には「ブリザーブドフラワー」がオススメです。

⑦灯立(火立)・・・手前の「ロウソク」を付けやすい位置に配置します。お線香の火は「ロウソク」からつけるのが一般的です。

⑧前香炉・・・お仏壇中央の一番下の段です。中に「香炉灰 or 洗える香炉石」を入れてお線香をお供えします。

おりん・・・右側手前の鳴らしやすい位置が良いでしょう。音を出すことで、仏心を呼び覚ますという思想が根本にあると考えられています。

⑩線香差し・・・お線香を差しておくための台。使いやすい位置でお使いください。


仏具でお線香・ローソク・お花などのお供えをする意味とは?

仏具でお線香・ローソク・お花などのお供えをする意味とは?

仏具によって荘厳(しょうごん)して初めてお仏壇としての意味を持ちます。仏具はご本尊を供養するのと共に、ご先祖様や亡き人を供養するためのものです。

お線香を立てることも、お花を飾ることも、ロウソクに火を灯すことも、ご飯やお水をお供えすることと一緒で、仏様への「お供え」です。この5つのお供えを「五供(ごくう)」といいます。 なので仏具セットとして販売されているものはこの「五供」を行えるように「5点セット+線香差し」の6点の仏具から構成されているものが多いです。

【1】前香炉(お線香を供える意味)


前香炉でたくお線香は「香食(こうじき)」といって香りは亡くなった方の食べ物であるとされています。天に上ってゆくお線香の煙が、この世とあの世を繋いでくれると言われています。


【2】灯立て(ローソクを供える意味)


灯立ては仏様の「知恵」を意味するローソクの明かりを灯すことで、あの世からこの世への誘導灯となり、架け橋の役目を果たしてくれます。

【3】花立て(お花を供える意味)


花立てに飾るお花は、花の芳香によって邪気をはらい、場を清らかにするという意味もありますが、美しい花を飾り、仏様に喜んで頂くという意味合いもあります。

【4】茶湯器(お水を供える意味)

お仏壇に水をお供えする理由は、亡くなった方は常に喉が渇いている状態にあると考えられているからです。また、毎日食べ物や飲み物に困ることなく生活できていることへの感謝を示す意味もあります。水の代わりにお茶をお供えする方もいます。これは決まりはありませんのでお水でもお茶でも良いでしょう。

※ 浄土真宗についてはお仏壇に水やお茶はお供えする必要がない宗派と言われています。


【5】仏飯器(ご飯を供える意味)

ご飯を仏様にお供えするのは、ご飯を食べるためではなく、炊き立てのご飯の湯気を召し上がって頂くためです。亡くなった方にとっては「香食(こうじき)」といって香りが食べ物になるためです。これはお線香を供える際と同じ考え方です。なのでご飯から湯気が出なくなったらお仏壇から下げて、おさがりを頂きます。また、毎日食べ物や飲み物に困ることなく生活できていることへの感謝を示す意味もあります。


仏具で3点セット(3具足)があるけど、仏具は3点の少ないものでもいいの?

仏具で3点セット(3具足)があるけど、仏具は3点の少ないものでもいいの?

先ほどの質問で回答した「五供」の中でも一番大切な仏具は「三具足(3点セット)」といわれる前香炉・灯立て・花立ての3つの仏具です。近年はお仏壇をコンパクトにされる方が多いですが、当店でもこの「三具足」は必ず飾られるようにご案内をしております。

【1】前香炉(お線香を供える意味)


前香炉でたくお線香は「香食(こうじき)」といって香りは亡くなった方の食べ物であるとされています。天に上ってゆくお線香の煙が、この世とあの世を繋いでくれると言われています。


【2】灯立て(ローソクを供える意味)


灯立ては仏様の「知恵」を意味するローソクの明かりを灯すことで、あの世からこの世への誘導灯となり、架け橋の役目を果たしてくれます。

【3】花立て(お花を供える意味)


花立てに飾るお花は、花の芳香によって邪気をはらい、場を清らかにするという意味もありますが、美しい花を飾り、仏様に喜んで頂くという意味合いもあります。


仏具セットのサイズの選び方を教えてください。

仏具セットのサイズの選び方を教えてください。

【基礎知識】仏具のサイズについて

仏具セットでサイズ展開あった場合、すべての仏具のサイズが変わると勘違いされやすいのですが、ほとんどの場合、サイズが変わるのは「花立て」と「前香炉」のみです。その他の仏器・茶湯器・線香差しなどはサイズが変わらず共通の仏具です。

【本題】仏具のサイズの選び方


仏具のサイズを選ぶ場合は「お仏壇の内幅(内寸横幅)」を大体の参考にされると良いでしょう。仏具が6点セットの仏具数の場合を想定した仏具サイズです。

通常の形状の仏具

  • お仏壇の内幅28~38cmの場合 → 前香炉直径 約6~7.5cm(2~2.5寸)の仏具サイズが合う
  • お仏壇の内幅33~43cmの場合 → 前香炉直径 約9cm(3.0寸)の仏具サイズが合う
  • お仏壇の内幅43~cmの場合 → 前香炉直径 約10.5cm(3.5寸)の仏具サイズが合う

※推奨サイズより、意図的に仏具を小さくしシンプルに飾り付けるお客様もいます。


仏具の様々な材質のメリット・デメリット・お手入れ方法を教えてください。

仏具の様々な材質のメリット・デメリット・お手入れ方法を教えてください。

仏具の材質は金属製(主に真鍮)、ガラス製、陶器製、木製の仏具があります。それぞれメリット・デメリット・価格の違いなどがありますのでご紹介させていただきます。

金属製仏具

メリット:仏具の素材の中では一番種類が豊富なため、様々なデザインのものを選ぶことが可能です。

デメリット:サビが発生することがあります。大抵の金属製仏具は表面にコーティングしてあるため、そのコーティングがされている状態であれば錆びることはほとんどありません。

価格:リーズナブルなものから高額なもの様々あります。金属製の仏具を作る際は「金型」を作る金額が高額な代金がかかりますので大量生産できる仏具の場合はリーズナブルにすることが可能ですが、あまり選ばれない仏具ですと値段が高くなる傾向があります。

ガラス製仏具

メリット:美しさがあります。他の素材には表現できないような色合いもガラスは表現できるためお仏壇の中で見ていて飽きないような商品もたくさんあります。

デメリット:やはり割れてしまうことがあるのがデメリットです。仏具購入時に「もし割れてしまった際に単品購入可能か」を必ず確かめてから購入されることをお勧めします。ちなみに当店では全ガラス仏具で単品補充に対応しております。

価格:一口にガラス製仏具といってもガラスを生産する工法で値段が大きく変わります。吹きガラスなどで1つずつ作る仏具は美しさの反面、職人の手作りのため高くなります。型にガラスを流し作る工法では、大量生産できるためリーズナブルな価格になります。

陶器製仏具

メリット:仏具の中では一番リーズナブルなため、予算が合わない場合などは是非ご検討頂くと良いでしょう。また花柄などの絵柄が好みの方はニーズが合いやすいでしょう。

デメリット:やはり割れてしまうことがあるのがデメリットです。仏具購入時に「もし割れてしまった際に単品購入可能か」を必ず確かめてから購入されることをお勧めします。ちなみに当店では全ての陶器製仏具が単品補充に対応しております。

価格:仏具の中では一番リーズナブルな価格帯です。当店でも5点セットで10000円を下回る価格のものからラインナップがあります。ブランド名(大倉陶園や深川製磁など)が入ると高級になります。

木製仏具

メリット:木目を出しているお仏壇には良くマッチします。お仏壇全体に木のぬくもりが漂います。触った際の手触りなどもどこか暖かさを感じます。

デメリット:木製仏具は種類があまり多くない為、多くの商品からは選ぶことはできないでしょう。また木のフシなどが表面にでることがあります。また、100%木材で作ることはできません。なぜなら花立てや茶湯器など水を使う仏具は木材では役割を果たせないため内側が金属などの異素材になっていることがほとんどです。

価格:リーズナブルなものから高額なもの様々ありますが、基本的に高額帯のものが多いです。木製仏具は需要が少なめなのでメーカーも大量生産できず、割高になりやすい傾向があります。


仏具を単品で購入できますか?

一部の仏具シリーズは単品購入も可能です。「単品販売可能な仏具」のカテゴリをご覧下さい。

なお一式セットで購入するメリットとしては当店オリジナルの「天然石の洗える香炉石」はセットで購入して頂いた方のみのサービスとなりますので、予めご了承ください。


古い「仏具セット」や「おりん」の処分方法を教えてください。

仏具セット」や「おりん」の処分は魂が入っているものではありません。なので各市町村の分別ルールに従ってご自身で廃棄処分してよいでしょう

仏像掛け軸お位牌に関しては魂が入っている仏具となりますので住職に依頼をして「魂抜き」をしてもらい、住職にお焚き上げ処分をして頂き、引き取って頂くのが一般的です。

もし寺院さんとのつながりがないお客様に限り、「本尊・お位牌・仏具etc の処分・お焚き上げ供養 」の仏具の処分をお受けしております。


お仏壇に「本尊」を飾る意味を教えてください。

お仏壇に「本尊」を飾る意味を教えてください。

まず初めにお仏壇の元々の意味は広い意味で「寺院の自宅版」です。寺院の本堂には必ずご本尊様があるように、お仏壇にもご本尊様があることにより「故人が仏の世界でもお守りされる」、また「生きている私達も守ってもらえる」と考えられています。また、お仏壇本来の意味合い的にも、ご本尊様はお仏壇の中では、一番重要なものとされています。そしてご本尊はその家に代々受け継がれて残っていくものです。

なのでお仏壇を飾る本来の意味から考えると「本尊」はお仏壇になるべくあったほうが良いでしょう。

また仏教とは異なりますが「風水」の観点からも家にご本尊を迎えることは非常に良いとされています。本尊は、家の中に良い気を呼び込み、悪い気を払うと言われています。


お仏壇に「脇侍」を飾る意味を教えてください。

お仏壇に「脇侍」を飾る意味を教えてください。

脇侍(わきじ)は 真ん中のご本尊の「両脇に安置される仏像または掛け軸のこと」です。脇仏や脇掛といったりもします。

仏教はもともとインドで始まり、もとは宗派などありませんでしたが、インドから中国や日本に伝わり「高僧」により仏教に対する考え方などに違いが生じた為、色々な宗派が生まれました。

脇侍(わきじ)は基本的にその「宗派を作った開祖」や、宗派を救ったり広めたりした「中興の祖」や「その宗派の教え」などを主に「掛け軸」で両脇に飾ります。

今はあまりないとは思いますが、以前は厳格な寺院などは必ず飾ってくれという寺院もあったようです。現在では任意の仏具という位置付けです。「自身の宗派にしっかりとした信仰がある方は飾られる」といった仏具となります。

ちなみに「掛け軸タイプの本尊」カテゴリには3尊仏といって1枚の掛け軸で3尊がまとまっている商品もあります。スペース上の問題がある方にはおすすめです。


宗教心がないのですが、飾らなくても大丈夫?

本尊を飾られずに供養されるお客様も一定数いらっしゃいます。当店のお客様では8割の方は本尊を飾り、残りの2割の方は本尊なしで飾る、といった感じです。

本尊を何のために飾るのかを知った上での判断であれば、問題ないとルミエールは考えます。本尊を購入しない分、お位牌をその分良いものにしてあげたいとか、そんな供養も素敵だな思っています。

なのでそんなお客様に向けた供養の仕方もページ内では随所でご紹介していますのでWEBサイトをくまなくご覧頂けますと幸いです。


仏像タイプと掛け軸タイプはどちらが良いのですか?

仏像タイプと掛け軸タイプはどちらが良いのですか?

仏像タイプの本尊」と「掛け軸タイプの本尊」があり、宗派に合わせたものを飾ります。基本的にどちらでも大丈夫です。

仏像タイプの場合、お仏壇としての尊厳がでます。価格は20000円~といった感じです。希少価値の高い白檀などの木材で作られた高級仏像などもあります。

掛け軸タイプの場合、少し略式感はありますが、デザインがシンプルなものも多いです。価格は5000円~といった感じです。

ただし日蓮宗だけは、少し特殊で、掛け軸だけ飾ることが多く、仏像だけを飾るということはあまりありません。詳しくは「日蓮宗のご本尊・脇侍の選び方と宗派作法」をご覧ください。


本尊・脇侍をお仏壇に飾る際はどこに飾るの?

本尊・脇侍をお仏壇に飾る際はどこに飾るの?

ご本尊は①の位置の「お仏壇中央の一番高い位置に飾る」のが決まりです。

そしてご本尊の頭の上には何も飾らない置かないようにしてください。(仏壇の上にはモノを何も置かない)

脇侍の飾る位置は②の「本尊の両脇」になります。掛け軸の基本的に脇侍の絵柄の僧侶などが内側に向くように作られています。ですが一部宗派は文字だけだったりしますので左右を間違えて飾らないないようにして下さい。(各商品ページで左右を確認)


両親の供養のために本尊を飾ります。父方と母方で「宗派が違う場合」はどちらの宗派に合わせる?

ご家族の意思をまずは尊重します。特にない場合は、下記のパターン順で決めると良いでしょう。

■パターン1:入魂してもらう寺院の宗派に合わせる。

これが一番多く、そしてスマートです。寺院に対しても良いでしょう。もし、お位牌などを入魂する予定がない場合はどちらか一方の宗派に合わせ、その宗派の本尊を飾ります。

■パターン2:両方の宗派の本尊を飾る。

あまりないケースですが、この場合、同じお仏壇内で2つの宗派があることで、飾り方の違いなどが生じることがあります。(例えば一方はお位牌を設けない宗派であったり)

いずれの場合もご家族で納得した形にすることが重要です。そのために寺院に相談してみるのも良いでしょう。


「無宗派」なのですが本尊を飾る場合、どれを飾ればいいでしょうか?

無宗派の場合のご本尊選びは、正解はありません。大切なのは、ご自身が納得できる本尊を選ぶことです。下記に無宗派の方に適した本尊を一部ご紹介します。

【1】釈迦如来
仏教の開祖であり、最も普遍的な仏様です。悟りの象徴であり、慈悲と知恵を表します。無宗派の方にとって最も安心感のある選択肢と言えるでしょう。当店では「仏像タイプの本尊」「掛け軸タイプの本尊」の両方で販売中です。

例)
・桧木仏像 上彫り 丸台座 座釈迦
・スタンド型掛け軸「遥」ウォールナット色 小サイズ


【2】阿弥陀如来
西方極楽浄土の教主であり、死後の安楽往生を願う人々に信仰されています。慈悲深い表情で、多くの信者を救済する仏様です。「座っている阿弥陀如来(例:天台宗の座弥陀)」「立っている阿弥陀如来(例:浄土宗の舟立弥陀、浄土真宗西の西立弥陀、浄土真宗東の東立弥陀、)」などすべて阿弥陀如来になります。

例)
・桧木仏像 丸台座 舟立弥陀
・桧木仏像 上彫り 丸台座 座阿弥陀
・スタンド型掛け軸「遥」ウォールナット色 小サイズ

【3】十三仏
釈迦如来の入滅から涅槃に至るまでの13の仏様を表します。それぞれ異なる功徳を持つとされ、様々な願いを叶えてくれると言われています。当店では「仏像タイプの本尊」「掛け軸タイプの本尊」で両方で販売中です。

例)
・本柘植仏像 上彫り仕上げ 座釈迦 十三仏光背
・本柘植仏像 上彫り仕上げ 座阿弥陀 十三仏光背
・新世紀掛軸 綺羅 十三仏


本尊の「サイズ」の選び方を教えてください。

本尊の「サイズ」の選び方を教えてください。

ご本尊はお仏壇中央の一番高い位置に飾りますが、バランスよく飾れるようにサイズの選び方をご紹介致します。

■必須

ご本尊お位牌を真横に並べた際に「ご本尊の高さ(後ろの光背を含む)」は「お位牌の高さ(総高)」よりも高くする方が良いです。商品ページで総高を確認して、「ご本尊が大きくなるように」選ぶと良いでしょう。

■推奨

お位牌を一段下に飾った際に理想としては「ご本尊の目線の位置」より、一段下にある「お位牌の最上部」が下にあることが理想のバランスとされています。ですが段数が少ないお仏壇などではこれは満たせないので、あくまで推奨という形です。


仏像の「木材」の選び方を教えてください。

仏像の「木材」の選び方を教えてください。

仏像は「木材の種類」で大きく価格が変わります。木材には「桧木/本柘植/檀木/白檀」がありますので特徴をご紹介致します。

■桧木(ヒノキ)製
桧木は、美しい光沢があり、特有の芳香がある木材です。日本最古の木造建築、法隆寺にも使われていることから見ても耐久性・耐朽性の高さがある木材です。白色に近い木材の色合いで、香りはアロマで良く香るようなヒノキの香りです。柔らかい木材なので彫りの細かさはありません。価格は約20,000円~お求めいただけます。

■本柘植(ツゲ)製
本柘植は漢字で「木の石」という文字からなっている通りに非常に硬い木材で重量感があります。仏像の木材の中では最も硬い木なので細かく美しい彫りが最大の魅力です。眼入りや切金などのカスタマイズが一番多いのも本柘植です。色合いは黄色に近い色合いで、香りはほのかな木材の香りです。価格は約55,000円~お求めいただけます。

■檀木(ダンボク)製
檀木で作られた仏像を指す「檀像」という言葉が仏教の経典によく見られるように、古来より仏教と密接な関わりがあった木材です。非常に希少でかつ高価なことから古来より日本の仏師憧れの材でした。特徴は白檀に非常に近く、色合いは茶に近い濃い色合いで、香りは白檀のようには無いです。価格は約140,000円~お求めいただけます。


■白檀(ビャクダン)製
白檀(ビャクダン)といえば爽やかな甘い芳香で優美な気品高い香木です。褐色の色合いはとても深みがあります。原木の輸出が禁止されており、とても希少材料となり木材としては非常に価値のある材料です。色合いは茶に近い濃い色合いで、白檀特有の香りがあります。価格は約280,000円~お求めいただけます。


本尊・脇侍には購入後は入魂するの?

本尊・脇侍には購入後は入魂するの?

寺院にもっていき「開眼供養(入仏式)」という本尊や脇侍に入魂をしてもらいます。

もし49日法要の入魂の際にお位牌を入魂される予定がある場合は「ご本尊お位牌」を一緒に入魂される形がスマートです。

当店でご本尊を購入いただいた方にはその際に寺院に渡す「開眼供養の熨斗袋」を購入者様に無料でサービスしております。

開眼供養の際の熨斗袋の表書き

  • 浄土真宗本願寺派 → 入仏式御礼(紅白の結び切りの水引)
  • 浄土真宗本願寺派 → 御移徒御礼(紅白の結び切りの水引)
  • 他全宗派 → 開眼供養御礼(紅白の結び切りの水引)

過去帳とは?

過去帳とは?

過去帳」とは、その家々の故人の戒名・俗名・没年月日などを記した、各家庭に伝わる系譜です。浄土真宗本願寺派(西)・浄土真宗大谷派(東)ではお位牌を祀らず、「過去帳」や「法名軸」をお仏壇に供えることが本式とされています。「過去帳」はその他の宗派ではあるとより丁寧な仏具です。

お位牌や法名軸は33回忌や50回忌などの「弔い上げ」というそのご先祖様に関しての法要が終わりになる節目で菩提寺で処分してもらいますが、そのような古いお位牌の情報なども過去帳に移し、永続的にご家庭で守り伝えられていきます。何代も受け継がれていくものです。


過去帳と位牌の違いは?

過去帳」と「お位牌」は故人やご先祖様を追悼する為に用意しますが、両者は大きな違いがあります。

お位牌」が故人の魂が込められている、故人そのものと考えられていることに対して、「過去帳」は魂が入っているものではなく家系図の意味合いが強いことが特徴です。

お位牌」をお祀りして、ある程度の年忌(三十三回忌や五十回忌など)を機会に、「過去帳」に移し変えます。古いお位牌がたくさんになってお仏壇に飾りきれなくなるためです。古いお位牌をまとめる方法は「回出位牌」という方法もありますが、「回出位牌」は大体5人~8人程度までしか入れることが出来ませんが、「過去帳」は非常に多くのご先祖様を記入できるため永年的にご先祖様の供養をして頂くことが可能です。


どの宗派も過去帳を作って大丈夫なの?

もちろん大丈夫です。ご先祖様の存在を子孫に記録として残すということはとても大事なことです。

【浄土真宗本願寺派(西)】【浄土真宗大谷派(東)】は「お位牌」を作らず、「過去帳」や「法名軸」をお仏壇に供えることが本式とされています。これは浄土真宗の教えに基づいており、故人は現世にとどまることなくすぐに浄土で仏となると考えられているためです。

ちなみに【日蓮宗】の教えに熱心な方の中にはご先祖様の情報を記すだけでなく、日蓮聖人や歴代御法主上人の命日、大聖人の法難、お題目なども合わせて「過去帳」に記載される方もいたりします。


過去帳の「日付入り」と「日付無し」の違いって何?

過去帳の「日付入り」と「日付無し」の違いって何?

過去帳の中紙の上部に日付が書かれているものを「日付入り過去帳」と中紙の上部に日付が書かれていない「日付無し過去帳」の2種類があります。一般的にお仏壇でお祀りするのは「日付入り過去帳」が多く、「日付無し過去帳」は寺院などで使われます

日付入り過去帳とは

1日~31日までの日付が過去帳上部に書かれて付がいて、月命日順に故人様の情報が書かれます。例えば9月15日に亡くなったご先祖様がいれば15日のページに情報が記載されます。なので○月15日に亡くなった人が極端に多い場合などは、記入しきれなくなる事もあります。その場合は前後のページに記入する形となってしまいます。

お祀りの仕方としては毎日1ページずつめくり、その月命日のご先祖様にお線香をあげるといった感じで先祖供養をしていきます。

日付無し過去帳とは

単に亡くなった順に記載されるのが「日付無し過去帳」です。月命日は関係ないですし、過去帳に記載されない無駄なスペースは発生しません。

筆者の個人的な見解となりますが、もし日めくりして月命日にお線香をお供えするという行為をしない場合は、単に亡くなられた順で記載してある「日付無し過去帳」の方が子孫の方は見やすいような気がします。ここはご家族でご相談されて製作されると良いでしょう。


過去帳を自分で書くときの記入例(書き方)は?

過去帳を自分で書くときの記入例(書き方)は?

過去帳」に記載していく内容については次のものを記載していきます。

【◎必須】戒名 or 法名(没後のお名前)
【◎必須】没年月日(亡くなった日にち)
【◎必須】俗名(生前の名前)
【◎必須】没年齢(亡くなった年齢)
【▲任意】関係性(○○の嫁など)
【▲任意】仕事や功績(警察官であったなど)


なお「日付入りの過去帳」は、上部に日付が記入されている為、没年月日は月までしか記入しないことが一般的です。 反対に「日付無しの過去帳」については没年月日はをすべて入れて記入される形になります。

また、過去帳はなるべく墨で書き残すのが最良です。数十年以上墨の字は残ります。筆文字もなるべく細い筆で書くと見やすくなります。


過去帳の表面にも文字入れはできるの?

過去帳の表面にも文字入れはできるの?

ルミエールでは過去帳の表面に文字入れして頂くことも可能です。文字入れ内容としましては「○○家」や「○○家過去帳」や「○○家先祖代々」と文字入れします。この文字入れは任意ですので行いたい方のみという形でよいでしょう。

過去帳の材質によって「彫り文字」や「墨書き文字」で文字入れします。一般的に表面が木材の過去帳は「彫り文字」、布地で中央部が紙製で作成されている過去帳は「墨書き文字」となります。


過去帳を仏壇に飾る位置はどこ?

過去帳を仏壇に飾る位置はどこ?

過去帳」は、お仏壇の本尊が安置してある場所より段が低い位置に飾ります。モダン仏壇におきましては特に飾る位置に厳格な決まりはありませんが、「お位牌」が2段目右側に飾られている場合は、2段目の左側に飾るようにすると良いでしょう。

浄土真宗の方などは多いと思いますが、もし「お位牌」がない場合は2段目右側の現在の「お位牌」の位置に「過去帳」を飾られると良いでしょう。

※注意点としては「過去帳」の内部は紙ですので燃えやすい為、線香が万が一倒れた際のことを想定して、飾られることをおすすめします。なので前香炉・灯立ての近くはあまりおすすめできません。


過去帳には入魂するの?

お位牌などと違い、過去帳には入魂(魂入れ)はしません。過去帳はあくまでその家々の家系図のようなものですので入魂という概念はありません。

49日法要などの際も「寺院に記入してもらう以外」の用途では持参する必要はありません。


過去帳の記入は誰が書くの?住職?仏壇店?自分?

過去帳」は誰が書いても構いません。下記にメリット・デメリットを紹介します。

■住職に書いてもらう場合
【メリット】今後ずっと同じ字体で記載してもらえます(住職が変わらない限り)
【デメリット】お布施代がかかる
【デメリット】住職が文字入れに失敗してしまうことがある

■自分で記入する場合
【メリット】今後ずっと同じ字体で記載できる
【メリット】お布施代も文字入れ代もかからない
【デメリット】文字入れに失敗してしまうことがある

■仏壇店で記入する場合
【メリット】失敗して届くことはない(記入時に失敗しても新しい過去帳で作成し直しお届け)
【メリット】お布施代はかからない
【デメリット】文字入れ代はかかる
【デメリット】次回も同じ仏壇店に依頼しないと字体が変わる可能性がある


住職に書いてもらう場合の御礼はどうすればいいの?

過去帳」を住職に記入してもらった場合、住職に「お布施」を渡して御礼をします。記入をお願いするタイミングによって「お布施」の金額は異なりますし、お寺さんとの付き合いの深さによって異なります。

49日法要や各種法要と合わせて依頼する場合は、法要の事前に「過去帳」を住職に渡しておき、記入して頂くのが良いでしょう。このパターンが別途お願いするよりもお布施代の負担が少なくすむ方法と存じます。49日法要のお布施の相場は葬儀の際にお寺さんに払った金額の10分の1程度とされています。(例:葬儀で30万円お支払したら3万円が49日法要のお布施の相場)

法要とは関係なく記入だけお願いする場合は~1万円が一般的な相場ですが、記入して頂くご先祖様の数にもよりますのでご不明な場合はご住職に相談すると良いでしょう。


過去帳の記入でミスをしたときの修正の方法はあるの?

過去帳」の記入でミスをしてしまった場合はミスをした箇所に上から同じ種類の紙を上から貼ってミス部分を隠す方法があります。ですが綺麗に修正できるわけではありませんので、基本的には一発勝負だと思ってください。

当店で販売している「過去帳」の高級ランクの一部商品は「試し書きシート」が「過去帳」に付属されており、失敗した際に上から「試し書きシート」を切り取り、貼って修正頂けます。記入質前に筆の染み具合を確かめて頂くなどにも使うことが可能です。

過去帳」の記入時のおすすめの方法としては薄く鉛筆で下書きを書いてから記入することをおすすめします。その後、下書きを消しゴムで消しますが、その際に力を入れすぎで紙を破いたりしてしまわない様に、非常に薄く下書きをすることをおすすめします。

もし記入に対してご不安な場合は仏壇店に任せるか、住職にご依頼することをおすすめいたします。