後悔しない-オイル仕上げのお仏壇や家具のメンテナンスについて インテリア仏壇 ルミエール

後悔しない!オイル仕上げのお仏壇や家具のメンテナンスについて

最近、木の素材感を活かした「オイル仕上げ」のお仏壇家具が注目を集めています。表面にウレタンなどの塗膜を施さず、木本来の質感や手触りをそのまま活かすこの仕上げ方法は、自然なぬくもりや優しい風合いを感じられるのが大きな魅力です。

また、ウレタン塗装などと違い木材が呼吸できるため、使い込むほどに深い味わいが生まれるのも特徴です。近年では、インテリア性の高いモダン仏壇にも多く採用され、ナチュラル志向の方を中心に人気が高まっています。

ただしその反面、オイル仕上げは汚れや乾燥、水分に対してデリケートな一面があり、定期的なお手入れが必要不可欠です。そこで今回は、そんなオイル仕上げのお仏壇や家具を長く美しく保つための基本的なお手入れ方法や注意点を、わかりやすく解説いたします。

オイル仕上げとは?

ポルト 木の質感の見本 アップ画像

オイル仕上げとは、木材の表面に天然由来のオイルを染み込ませることで、木の質感を生かしながら保護する塗装方法です。ウレタン塗装やラッカー塗装のように木の表面をコーティングするのではなく、木の内部にオイルを浸透させることで、しっとりとした手触りと深みのある色合いを生み出します。

オイル仕上げは環境に配慮した塗装方法とも言われており、健康への配慮が求められる小さなお子様のいるご家庭や、化学物質に敏感な方にも安心してお使いいただける点で人気が高まっています。

仏壇にオイル仕上げを施すことで、人工的な光沢ではなく、自然の木目や色合いが空間に柔らかさを与え、落ち着いた雰囲気を演出します。また年月を重ねることで、色味や質感に変化が出る「経年美化」も、オイル仕上げならではの魅力です。

オイル塗装に使われる主なオイルの素材

オイル原材料のイメージ画像

オイル仕上げに使用されるオイルには、自然由来のものが多く、安全性や仕上がりに優れているものが選ばれています。以下は代表的なオイルとその特徴です。

1.亜麻仁油(あまにゆ)

最もポピュラーな自然系オイルの一つです。亜麻という植物の種子から採れる油で、乾燥後には丈夫な被膜を形成します。

当店で扱っているオイル仕上げのお仏壇も、この亜麻仁油を主成分とした浸透性自然塗料を使用しています。なお使用している亜麻仁油は有機栽培・無農薬で育てられたものです。自然に寄り添いながら、安心して使える素材を厳選しています。

このオイルは、木の呼吸を妨げることなく、適度な保護膜をつくってくれるのが特徴で、水をしっかりはじく力がありながら、木そのものの風合いやぬくもりをしっかりと活かすことができます。

また当店で使用しているオイルは、幼児木材玩具としての安全性の規格「DIN EN71 Part3」にも合格しています。これは、幼児用の木製おもちゃにも使えるほど安全性が高いことを示す規格です。大切なお仏壇にふさわしい、信頼できるオイルです。

特徴

  • 浸透性が高く、木の内部にしっかり入り込む
  • 色をやや濃くする
  • 昔から絵画や家具、木製品に使われてきた実績のあるオイル

2.荏胡麻油(えごまゆ)

和風の木工製品や木の器などにも使われてきた伝統的な天然油です。日本では古くから漆器の下地や木製食器の保護などに使われてきました。

特徴

  • 日本の気候に適しており、乾燥性が高い
  • 食品にも使われるほど安全性が高い
  • 自然な仕上がり

3.くるみ油

ナッツ類から採れる植物油の中でも、自然塗装用に使われることが多いです。

特徴

  • アレルギーがある人には要注意
  • しっとりとした仕上がり
  • 塗った後の酸化硬化が早めで、比較的扱いやすい

4.オイルワックス

最近のオイル塗装では、植物油にミツロウやカルナバワックスなどを配合した「オイルワックス」タイプもよく使用されます。

特徴

  • オイルの浸透+ワックスの保護効果が得られる
  • 表面がオイル塗装のみに比べて水に強くなる
  • メンテナンスが比較的容易

オイル塗装=「天然オイル100%」と思われる方もいらっしゃいますが、実際には「乾燥性を高めるための樹脂成分」や「防カビ・防腐のための微量な添加物」が入っている製品もあります。それぞれ特徴や仕上がりが異なるため、製品や用途によって最適なオイル塗装が施されています。

その他塗装仕上げとの違い

仕上げの方法によって、仏壇や家具の印象や扱い方は大きく変わります。ここでは代表的な塗装方法の「ウレタン塗装」「ラッカー塗装」「オイル仕上げ」の3種類を比較してみましょう。

ウレタン塗装とは?

ウレタン塗装の質感見本 アップ画像

ウレタン塗装とはポリウレタン樹脂系のウレタン樹脂で、木材の表面をコーティングする方法です。塗料が乾燥すると、表面に硬い被膜ができ、ツヤが出て傷や汚れに強くなります。

ウレタン塗装が施されているものは、お手入れもしやすく耐久性も強いですが、長く美しく使っていただくためには、お手入れのポイントがあります。

お手入れポイント

  • 柔らかい布での乾拭きを基本として下さい。
  • 定期的にホコリを拭き取って下さい。
  • 水拭きは基本的におススメしません。どうしても汚れが気になる場合のみ、水に濡らして固く絞った布ご使用ください。
  • 化学雑巾や洗剤は使用しないで下さい。塗装が劣化する恐れがございます。

ラッカー塗装とは?

ラッカー塗装とは、ウレタンをシンナーなどで薄めているもので、昔から家具や楽器などに使われてきた塗装方法の一つです。一番安価な塗装方法で、オイル塗装と比較するとツヤが少し出ますが、素材を活かした仕上がりです。

ラッカー仕上げは、比較的簡単に塗装を塗り直しできるのが利点です。ですが、オイル塗装やウレタン塗装と比べ、塗膜が揮発しやすいため、長持ちしにくく、品質としては少し劣ります。そのため、当店では現在ラッカー仕上げの仏壇は扱っておらず、近年では家具やお仏壇にもあまり使われなくなっています。

安価で素材の質感が活かされているものを購入したい方には向いていますが、経年劣化や品質を考えるとあまりおススメできません。

ウレタン塗装・ラッカー塗装との違いまとめ

特徴 オイル仕上げ ウレタン塗装 ラッカー塗装
見た目 自然な風合い・マット仕上げ ツヤのある光沢感 やや光沢、薄膜仕上げ
手触り 木の質感そのまま ツルツルした人工的な質感 滑らかで木の質感を感じられる

耐久性(傷・熱・水・汚れ)

△低い ◎高い △低い
メンテナンス性 △定期的なオイル塗布が必要 ◎乾拭きでOK・水拭き可 〇塗り直しが簡単
経年変化 ◎色味に深みが出る 〇変化は少ない △黄ばみや色ムラが出ることも

オイル仕上げは"育てていく楽しみ"を味わいたいナチュラル志向の方向け、ウレタン塗装はメンテナンスがラクで日常使いに強いものをお求めの方向け、ラッカー塗装は安価で商品を購入したい方向けです。

それぞれの特徴を理解した上で、ご自身の生活スタイルや好みに合ったものを選ぶのが理想的です。

オイル仕上げ仏壇のお手入れ方法

オイルお手入れの見本画像

オイルメンテナンスの頻度について

オイル仕上げの美しさを保つためには、定期的なオイルメンテナンスが大切です。目安としては半年~1年に一度のペースで行うのがおススメです。

オイル仕上げのものは乾燥が進むと水分や汚れが浸透しやすく、傷やシミができやすくなってしまいます。

特に乾燥が気になる冬場や、湿度の変化が大きい季節の変わり目などにはこまめなケアが大切です。メンテナンスをしてあげることで乾燥やひび割れの予防にもつながりますので、最低年に1回のお手入れを習慣にしておくと安心です。

【オイルメンテナンスの手順】

  1. 乾いた布で表面のホコリを落とす。
  2. 柔らかい布にオイルを少量含ませる。
  3. 木目に沿って薄く塗布する。
  4. 数分置いたあと、乾いた布で余分なオイルを拭き取る。
  5. 風通しの良い場所で半日から1日ほど乾かす。
  6. 乾拭きをする。

※余分なオイルを拭き取らないと、時間が経ってもべたついた状態のままになってしまいます。必ず余分なオイルを拭き取ってください。

※オイルが付着した布巾や紙などは酸化熱によって、自然発火する恐れがございます。必ず水で洗い流してから布巾や紙を捨ててください。

【オイルメンテナンスの経過】

オイル塗った部分と塗っていない部分の比較

上記の画像では、お仏壇の扉の右側のみオイルを塗っています。写真を見ていただくと、一目瞭然ですが、オイルを塗った右側は色味が深くなり、自然なツヤが生まれ、木目がよりはっきりと浮かびあがっています。

オイルメンテナンスの経過画像

上記の画像が全体的にオイルを塗って4日ほど経過したものです。塗布直後よりもさらに色味が木に馴染み、自然な風合いがより一層増してきました。ツヤも落ち着き、表面はしっとりとした、ちょうどよい質感になっています。時間の経過とともに、オイルと木材がより一体化し、木本来の美しさが引き立ってきた印象です。さらに日が経つことで、一層自然な味わいが深まり、しっとりとした温もりのある表情へと変化していくことが期待できます。

やってはいけないNGメンテナンス

オイル仕上げのお仏壇は非常に繊細です。以下のような行為は避けましょう。

  • アルコールや家庭用洗剤を使用する→ 木の表面を傷め、変色や乾燥の原因になります。
  • 水拭きの後、そのまま放置する→ 木が膨張・ひび割れする可能性があります。
  • 直射日光やエアコンの風を直接当てる→ 木の乾燥が急激に進み、表面が割れてしまうことがあります。

正しいお手入れ方法を守ることで、お仏壇を長く美しく保つことができます。

よくあるご質問Q&A

Q. 水拭きをしてしまった・・・

A. すぐに乾いた布で水分を拭き取り、その後数日様子を見てください。輪染みが出来た場合は軽くオイルを塗ることで軽減できることがあります。

Q. メンテナンスのオイルはどれがいい?

A. 木工用オイルとして販売されているものなら安心です。天然成分100%の亜麻仁油やタングオイルが人気です。

Q. 食用油などは使って大丈夫?

A. サラダ油やオリーブオイルなどの食用油は酸化が早く、色ムラやべたつき・カビの原因になるためNGです。

Q.お子さんやペットがいるご家庭には何がおススメ?

A.お手入れのしやすさや耐久性を重視する場合、「ウレタン塗装」がおススメです。傷や汚れに強く、丈夫な塗膜で表面が守られているため、小さなお子様やペットがいるご家庭でも安心してお使いいただけます。一方で、塗膜に使われる成分の「安全性」にこだわりたい方は、「オイル塗装」がおススメです。自然由来のオイルを使っているため、人にも環境にも優しく、自然志向の方に人気です。

Q.オイル塗布後、すぐに使ってもいい?

A.半日から1日ほど、風通しのいい場所で乾燥させてください。すぐに物を置いたり触ったりすると、オイルが移ったり乾きムラができることがあります。

オイル仕上げの商品を紹介

家具調仏壇 ノア ウォールナット無垢 15号

上質なウォールナット無垢材を使用し、落ち着きのある木目を生かした、シンプルで洗練されたデザインの仏壇です。コンパクトながらも引き出しや、LED証明、スライド式の仏具台など、使い勝手にも配慮がされております。現代の住空間にも調和する、美しさと機能性を兼ね備えた商品です。

ノア 仏具との組み合わせ画像

■撮影アイテム


モダン仏壇 スクエア ウォールナット 15号

優しい木のぬくもりを感じられ、直線的でシンプルなデザインが映える仏壇です。丸みのないフォルムの中にも、ウォールナット無垢材のやわらかな木目がやさしく調和し、心落ち着く空間を演出します。オイル仕上げによって自然な風合いがそのまま活かされ、触れるたびに温もりを感じられる、現代の暮らしにもそっと寄り添うような商品です。

スクエア オイル仕上げ仏壇の紹介

■撮影アイテム


家具調仏壇 ポルト ウォールナット 16号

やわらかな曲線と異素材の美しさが際立つ、上質なデザイン仏壇です。ウォールナットの深みのある色合いに、バーズアイメープルの淡く繊細な木目がアクセントとなり、空間に上質な存在感をもたらします。取っ手のないフラットな面構成や木目の流れるような表情が魅力です。  ポルト オイル仕上げ仏壇の紹介画像

■撮影アイテム


まとめ:“育てるお仏壇”としての魅力

オイル仕上げのお仏壇は、時間とともに木の味わいが深まり、使い込むことで愛着が増していく“育てる仏壇”です。少し手間をかけることで、いつまでも美しく、心地よい存在として寄り添ってくれます。

インテリア仏壇ルミエールでは、オイル仕上げのお仏壇の販売はもちろん、お手入れ方法に関するご相談も承っております。

お困りの際はどうぞお気軽にご相談くださいませ。

この記事を書いた人

インテリア仏壇ルミエール(千葉)のスタッフ 笹森裕貴(WEBサイト運営・情報発信担当)
  • 執筆者:笹森 裕貴(インテリア仏壇ルミエール)
  • 実務経験:14年(仏壇業界)
  • 拠点:千葉県(本社)
  • 保有資格:インテリアコーディネーター
  • 専門:お位牌・お仏壇の選び方/宗派別の基本作法の解説

店舗で日々いただくご相談(サイズ選び・素材・設置環境・宗派ごとの考え方など)をもとに、「何を基準に選べば失敗しないか」を分かりやすく整理して記事にしています。 また、宗派や地域差に関わる内容については、当店とご縁のある寺院関係者の助言を参考にしながら、一般的な慣習に配慮して執筆しています。

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faq

お仏壇に関連する「よくある質問」

お仏壇の購入時期はいつ頃がいいの?

お仏壇を購入する時期は、四十九日までに購入する方が多いでしょう。
四十九日までに必ず本位牌を作りますが、その際に本位牌を飾る場所がないのは少し寂しい気がします。 故人を偲び、お線香をあげに来て下さる方もいらっしゃいますので出来れば早目に用意するのが理想です。

それ以外は、引っ越しによる買い替え・お盆お彼岸年回忌家の新築・リフォームなどを機会としてお求めになる方が多いです。お仏壇を購入するのに、良い時期、悪い時期はありません。「ご先祖様や故人様をご丁寧にお祀りしたい」そう思い立ったときが購入時期といえます。


お仏壇の意味や役割とは?

お仏壇は本来、「仏様をお祀りする家庭の小さなお寺」としての意味を持ち、「ご本尊を迎え、お位牌や家を守ってもらう」という背景があります。しかし、現代では宗教心が薄れてきたこともあり、従来の考え方よりも「故人を偲び、対話する場」としてお仏壇を購入する方が増えています。

東証一部上場の鎌倉新書が行ったお仏壇の購入後アンケートによると、以下のような回答が多く寄せられています。

  • 故人を思い出す頻度が増えた
  • 故人の出る夢を多く見るようになった
  • 以前よりも心が穏やかに幸せな気分になった

このように、お仏壇が日常生活にもポジティブな影響を与えていることが伺えます。

さらに、最近では「樹木葬や海洋散骨」などでお墓の在り方が変化してきました。それに伴い、遺骨の一部をミニ骨壺に納め、お仏壇に飾る方も増えています。お仏壇の役割も時代の変化と共に変わり続けています。


お仏壇は宗派によって違うの?

お仏壇は宗派によって違うの?

昔は宗派によって「浄土真宗は金仏壇」「それ以外の宗派は唐木仏壇」などありました。

ですが現代では「全宗派でスタンダードとなるモダン仏壇」が主流になり、宗派による違いを気にされる方はほとんどいなくなりました。

モダン仏壇・唐木仏壇・金仏壇とお仏壇の種類は様々ありますが、お好きなデザインのお仏壇を選ばれて良いでしょう。

現代ではお仏壇本体はお部屋にあう好きなものを選び、中に入れる「ご本尊」だけ宗派に合わせるのが一般的です。


お仏壇への「仏具の飾り方」を教えて下さい。

お仏壇への「仏具の飾り方」を教えて下さい。

お仏壇に仏具一式を飾りつけたお飾り例です。モダン仏壇は仏具の飾り付けは必要最低限の仏具5~6点セットの「仏具セット」+「おりん」を飾るのが一般的です。

①本尊・・・お仏壇の中央一番高い位置に飾ります。「仏像タイプ」「掛け軸タイプ」があります。

②脇侍(わきじ)・・・ご本尊の両脇に飾ります。脇侍も「仏像タイプ」「掛け軸タイプ」があります。

③お位牌・・・ご本尊より一段下の向かって右側が上座です。既にお位牌がある場合はその段の左側に飾ります。

④仏飯器・・・2段目or3段目の段の向かって右側に飾ります。炊き立てのご飯を毎朝お供えします。

⑤茶湯器・・・2段目or3段目の向かって左側に飾ります。お仏壇の段(須弥壇)が2段しかない仏壇の場合はご本尊の足元に置きます。

⑥花立て・・・左の下の段に置きます。常花や生花を供える際に使用します。常花には「ブリザーブドフラワー」がオススメです。

⑦灯立(火立)・・・手前の「ロウソク」を付けやすい位置に配置します。お線香の火は「ロウソク」からつけるのが一般的です。

⑧前香炉・・・お仏壇中央の一番下の段です。中に「香炉灰 or 洗える香炉石」を入れてお線香をお供えします。

おりん・・・右側手前の鳴らしやすい位置が良いでしょう。音を出すことで、仏心を呼び覚ますという思想が根本にあると考えられています。

⑩線香差し・・・お線香を差しておくための台。使いやすい位置でお使いください。


お仏壇の向き・方角は決まりがあるの?

お仏壇の向きに関しては、基本的には特定の方角に制限はありません。仏教の教えでも「この向きがいけない」といった決まりはありません。ただし、一般的には南向きや東向きが良いとされています。一方で、「北向きは避けた方が良い」と言われることもありますが、これは風水において北が陰の気を持つとされるためです。ただし、歴史的に様々な説があるため、特に強い信仰心がない限り、方角にこだわる必要はないでしょう。

【南面北座説】お仏壇の扉が南向きになる説

仏壇を南に向け、北を背にして仏壇を安置する考え方です。この向きは仏壇に直射日光があたらず、風通しもよいので、最適な仏壇の安置場所になります。ここから、仏壇の北向きはよくない、と言われるようになったようです。曹洞宗・臨済宗はこの向きを推奨するようです。

【西方浄土説】お仏壇の扉が東向きになる説

西方浄土とは極楽浄土のことで、西方浄土の方向にある西に向かって拝めるように、仏壇を東向き(お仏壇の扉を東に向ける)に安置します。浄土真宗本願寺派(西)・浄土真宗大谷派(東)・浄土宗・天台宗はこの向きを推奨するようです。

【本山中心説】宗派の総本山に向かって拝む説

お仏壇の前に座って礼拝するとき、拝む延長線上に宗派の総本山がある方向に安置します。
本山によって、住む場所によって、西向きにも東向きにも南向きにもなります。真言宗はこの考えを推奨するようです。

上記の通り、どの説をとるかでお仏壇の向きはどの方向にも変わります。あまり向きにはこだわらず住宅の事情に合わせて問題ないでしょう。


お仏壇の設置場所はどこがいいの?

お仏壇の設置場所はどこがいいの?

家の中でのお仏壇の設置場所は家族で毎日拝める場所を選ぶことが重要です。

従来は和室の「床の間」や「地袋(床の間の脇の小戸棚)」などに設置するのが一般的でしたが、近年では和室自体を設けない住宅などもあり、 モダン仏壇は洋間に置いても違和感がないという事からリビングなどに設置する方も多くなっております

またお仏壇は木材で出来ているので、冷暖房が直接当たってしまう場所や直射日光が当たる場所は劣化を早める為、避けて下さい

また同じ部屋の中に神棚を設けている場合、神棚とお仏壇が向かい合うのは避けたほうが良いでしょう。 どちらかに拝んでいるときに背を向けてしまうということから「凶相」であるといわれています。 2つ同じ部屋にを置く時は、並べて置くか、L字になるように置きましょう。


お仏壇のサイズの○○号って何?

お仏壇のサイズの○○号って何?

お仏壇の「高さ」を表すのに○○号という表記で表します。

仏壇・仏具の寸法は尺寸法が基本になっています。(1寸=約3cm 1号=約3cm)

例えば20号のお仏壇の場合、20×3でお仏壇の高さは60cmのお仏壇といった表記です。
上記をまとめると、高さ表記の〇〇号は「3」を掛ければ実際のお仏壇の高さとなると思って頂ければと思います。


お仏壇の種類はどれを選べばいいの?

お仏壇の種類はどれを選べばいいの?

お仏壇には、モダン仏壇と伝統型仏壇(唐木仏壇や金仏壇)があります。かつては宗派ごとに仏壇の形式が決まっていましたが、現代では多くのご住職様が様々な祈り方を受け入れており、お好みのデザインを選ぶことができます。近年では、全国的にモダン仏壇の出荷数が増えて主流です。

モダン仏壇(近年のスタンダード)

モダン仏壇は家具調仏壇やリビング仏壇とも呼ばれ、現代の生活様式に合ったタイプです。洋間・和室問わず設置できるため、人気が高まっています。特に首都圏では、お仏壇全体の出荷数の9割がモダン仏壇です。故人の好みやイメージに合わせやすい点も人気の理由です。宗派に関係なく使用でき、ウォールナットやメープルなどの家具材を用いて作られています。

伝統型仏壇(唐木仏壇)

唐木仏壇は、黒檀や紫檀などの輸入銘木や、ケヤキや桑などの国産銘木を使用し、木材の木目を生かして作られた伝統的な仏壇です。宗派による形の違いはなく、どの宗派でも使用できます。ルミエールでは唐木仏壇の取り扱いはありませんが、唐木の木材を用いて、シンプルな「和モダン仏壇」というジャンルで販売もしています。

伝統型仏壇(金仏壇)

金仏壇は、白木を素地に漆やカシューで仕上げ、金箔や金粉で装飾された豪華な仏壇です。蒔絵、彫刻、錺金具など日本古来の伝統工芸技法が用いられています。特に浄土真宗の各派で金仏壇が推奨されていますが、他の宗派でも使用できます。

以上のように、お仏壇には様々な種類があり、現代のライフスタイルに合わせたものを選ぶことができます。


お仏壇の購入価格は平均でいくら位?

お仏壇の購入価格は平均でいくら位?

全国のお仏壇の平均購入価格は「約33.6万円」です。

こちらのデータは東証一部上場企業の「鎌倉新書」という仏事のデータ会社のお客様購入金額データをもとに作成したものです。


お仏壇の保証期間はありますか?

ルミエールでは「5年間のお仏壇・家具・仏壇台の保証制度」を設けております。通常に使用していたのに扉が開かなくなったなどそのような事がありましたら「保証期間内でしたら無料で修理」させて頂きます。

詳しくは「5年保証期間内の修理依頼【0円修理】」をご覧ください。


長男ではないのでお仏壇はいらない?

伝統的に長男が仏壇を継承するという習慣が根強く残る地方でも、その慣習に変化が見られます。長男でなくても、故人への敬意を表すためにお仏壇を飾り、ご供養される方が多くなっています。現在は、以前のような世襲制度がなくなり、長男次男に関わらず、しっかりとご供養したい方はされるし、されない方はされないという風潮です。

こうした変化により、個人や家族の信仰や価値観に基づいて、仏壇の在り方も多様化しています。例えば、故人のお位牌が複数存在することについて質問されることがありますが、お位牌が複数あることは全く問題ありません。過去の偉人でも位牌やお墓が全国各地に複数存在する例があるように、多くの人々から手を合わせてもらえることは、故人にとって幸せなことです。さらに、地域によっては、子供の数分だけお位牌を作る「位牌分け」という習慣も存在します。

このように、現代の仏壇文化は伝統を尊重しつつも、現代の生活環境や価値観に合わせて柔軟に変化しています。


お仏壇が一つの家に二つあっても良いのですか?

普通お仏壇は一家に一つですが、いろいろな事情で二つある家庭もあります。

例えば、

  1. 家族の中に代々の宗旨とは別の宗旨を信心している人がいる
  2. お嫁さんの実家のお仏壇を引き取ることになった

などです。

1.の場合は「信仰の自由」を尊重し、それぞれの部屋に置いてお祀りすればよいでしょう。ですが本来のルールとしては同じ家のなかに複数のお仏壇がある状態ですが、基本的には好ましくないとされています。

2.の場合は、置く場所の都合で困難な時は、奥様の実家のお仏壇は整理するようになります。奥様の実家のお位牌を一緒にまつることも、ご家族の了解さえあれば問題ありません。お仏壇を1つにまとめるのは決して悪いことではありません。

また先々、お子様が先祖の仏壇や位牌を見ていくことを考えれば、一つにまとめてあげた方が良いでしょう。


お位牌はいつまでに作るの?

葬儀のときの「白木位牌は49日法要までの仮の位牌」ですから、49日法要までに仏壇店で本位牌につくり変えます。


新しく作った本位牌は、49日法要の時に菩提寺の住職に魂入れをしていただきます
49日法要をお寺で行うときは、お寺さんに本位牌と仮位牌(白木位牌)を持参して魂の移し替えをしていただき、帰宅後、お仏壇に安置します。


お位牌は複数あってもいいの?

この質問はお客様から多く受けます。故人のお位牌が複数あることは、仏教上も全く問題ありません。過去の偉人などをみてもお位牌やお墓などは全国各地に必ずと言っていいほど複数あります。それだけ多くの方から手を合わせてもらえることこそ、故人にとっては幸せなのではないのでしょうか。位牌分けといって子供の数分、お位牌を必ず作るという地域もあります。


ガラス位牌やクリスタル位牌が素敵ですが、本位牌として問題ないの?

ガラス位牌やクリスタル位牌が素敵ですが、本位牌として問題ないの?

ガラス位牌やクリスタル位牌は、現代的で美しいデザインが特徴で、故人を偲ぶための新しい選択肢として人気があります。
仏教において位牌が必ず木製でなければならないという決まりは存在しません。最も重要なのは、位牌が故人を偲ぶための故人そのものであるという点です。故人の記憶を適切に反映し、祀ることができるならば、材質や形状は何も気にする必要はないでしょう。


浄土真宗ですがお位牌を作らない宗派と聞きました。本当に作らなくていいの?

浄土真宗ですがお位牌を作らない宗派と聞きました。本当に作らなくていいの?

浄土真宗では、亡くなった人は阿弥陀仏の救済によってすでに極楽浄土に往生していると考えられています。そのため、位牌を作らずに、「過去帳」や「法名軸」で故人を供養するのが宗派上は正式とされています。

しかし、お位牌を作りたいという気持ちは自由です。宗派の教えに関係なく、お位牌を作るお客様は多くいらっしゃいます。当店の浄土真宗のお客様のお位牌作成の割合としては「4割はお位牌」「3割は過去帳」「3割は法名軸」を作成されていきます。

お位牌を作るか不安な場合は、菩提寺に相談しましょう。もし浄土真宗の正式な供養をされたいという方は「過去帳」や「法名軸」での供養をご検討下さい。

※ちなみに浄土真宗には多くの派がありますが、その中で「浄土真宗高田派」に関してはお位牌を作ることが正式とされています。


異なる宗派のお位牌を一緒に祭ってもいいの?

例えば長男・長女で結婚されて両親の位牌がそれぞれある場合など、このようなケースは多々あることです。

お仏壇に異なる宗派のお位牌を祀ることに関しては、ご家族さえよければ問題ないです。

宗派に関してはもともと別々のご宗派だった家が一つになるので「梵字」や住職によって異なる「行年・享年の書き方」などが違うと思いますが、今後作るお位牌に関しては、お付き合いされていくお寺さんの書き方に合わせていくとよいでしょう。


無宗教ですがお位牌はいるの?

無宗教ですがお位牌はいるの?

無宗教の場合、お位牌を作るかどうかはご家族の意思でお決めになられれば良いと思います。ですが日本人の感覚からいえばやはり祈りの対象としてお位牌を持つことをお勧めします。

無宗教などの方で戒名が無い場合は、一般に「○○○○之霊位」というように生前の名前を表面に記入して位牌を製作します。その場合、裏面は没年月日と行年(享年)を裏面に記入します。


お位牌のサイズの選び方を教えてください。

お位牌のサイズの選び方を教えてください。

本尊とのバランス1

ご本尊より背が高くならないように「ご本尊の総高 > 回出位牌の総高」でお位牌を作るようにします。 お仏壇において一番重要性が高いものはご本尊となるためです。仏教的視点からお仏壇の中で「ご本尊は師匠」で「お位牌は弟子」の関係です。なので師匠の高さは超えないようにするのが良いといわれています。

本尊とのバランス2

推奨のバランスとしては、上記のようにお仏壇に設置した際にお仏壇の最上段にある「ご本尊」の目線より背が高くならないようにするのが、良いバランス例です。ですが段数が少ないお仏壇もありますのでこちらはあくまで必ずではないですが、推奨としてお考え下さい。

既存位牌とのバランス

ご先祖様のお位牌より背が高くならないように作るようにすると良いでしょう。

それゆえ、新しくお仏壇とお位牌を購入される場合は、最初に小さいお位牌を作ってしまいますとその後の位牌がどんどん小さくなってしまいますので、お仏壇に合わせあまり小さすぎないお位牌をお選びいただくことをお勧めいたします。


お位牌は電話で注文できますか?

お位牌は文字入れ商品ですので、お電話でのご注文は「聞き間違い」の原因にもなるため電話注文は受け付けておりません。

ネット上から文字入れ情報を記入の上、ご注文をお願いいたします。


お位牌のネット通販で心配です。きちんと届きますか?

当店では月間300本程度の位牌を製作し、間違いなくお届けできるよう以下のような受注体制を設けております。

■レイアウト確認サービス(+500円)
彫りの着工前に文字内容やレイアウトに間違いがないか、位牌の校正画像をメールでご確認いただけるサービスです。
校正の修正は2回までは追加料金がかかりません。

■納期管理
万が一お位牌の在庫状況などによりご法要日までにお届けが困難な場合には、受注後速やかにご連絡いたします。

お客様にご不安がないようきめ細やかなご連絡を徹底しておりますので、どうぞ安心してご注文くださいませ。


お位牌には保証期間はありますか?

ルミエールでは「5年間のお位牌の保証制度」を設けております。通常に使用していたのに不具合等がありましたら「保証期間内でしたら無料で修理」させて頂きます。

保証規定

以下の場合は無料保証の対象外となりますのでご注意ください。

・取扱い説明書に反する使用によって生じた不具合・故障
・お買上げ後の移動・落下・衝撃によって生じた不具合
・天災によって生じた不具合・故障(地震・火災・風水害・落雷等)
・保証期間を過ぎた場合

特記事項

・保証期間はお位牌がご自宅に到着してからの期間となります。
・入魂後のお位牌は魂抜きを事前に菩提寺にして頂いてから当社がお預かりする形となります。
・寺院にお支払いするお布施代金などは保証対象外です。
・保証・交換の際、対象商品が製造・販売中止の場合、当社が指定する同等の代替品と交換となる場合があります。
・商品保証は国内のみ有効となります。
・商品保証は当社から直接ご購入頂いた商品のみ有効となります。

上記の保証期間はあくまで目安であり、保証期間後でも柔軟に対応させて頂きたいと考えております。
是非、ご安心してご購入くださいませ。


お位牌を購入した後は入魂するの?

お位牌を購入した後は入魂するの?

「お位牌」を購入した際には寺院に入魂して頂きます。

多い流れとしては49日法要の際に「49日までの仮位牌」と「仏壇店で作った本位牌」をもっていき、新しい本位牌へ魂の移し替えをしてもらいます。

その際に寺院に渡す御礼の表書きは「お布施」です。当店ではお位牌購入者様へ無料で「お布施袋」をサービスしています。

ご本尊(仏像や掛け軸)を新しく購入したときには、なるべく同時のタイミングで入魂(開眼供養)を行います。その際は「お布施」と「開眼供養料」の両方を用意するのが一般的です。


お位牌がたくさんあって仏壇に収まらないのです。何か良い方法があれば教えてください。

お位牌がたくさんあって仏壇に収まらないのです。何か良い方法があれば教えてください。

お位牌は複数のお位牌をまとめる方法が2通りありますのでご紹介致します。

回出位牌にまとめる

1つ目は、回出位牌(繰出位牌)に変えて複数のご先祖様のお位牌をひとつにまとめることができます。
回出位牌は商品によりますが大体8枚~10枚くらい札板が入っています。

先祖代々の位牌を作り、文字情報は過去帳へ

2つ目は、『○○家先祖代々之霊位』という形で新しくお位牌を作り、ご先祖様のお位牌をひとつにまとめます。
その際、戒名などの入ったご先祖様のお位牌はお寺さんに依頼し、お焚き上げします。この場合、ご先祖様の戒名などが分からなくなってしまいますので「過去帳」という仏具にご先祖様の戒名等を記入しておけばなお丁寧でしょう。


お仏壇への「仏具の飾り方」を教えて下さい。

お仏壇への「仏具の飾り方」を教えて下さい。

お仏壇に仏具一式を飾りつけたお飾り例です。モダン仏壇は仏具の飾り付けは必要最低限の仏具5~6点セットの「仏具セット」+「おりん」を飾るのが一般的です。

①本尊・・・お仏壇の中央一番高い位置に飾ります。「仏像タイプ」「掛け軸タイプ」があります。

②脇侍(わきじ)・・・ご本尊の両脇に飾ります。脇侍も「仏像タイプ」「掛け軸タイプ」があります。

③お位牌・・・ご本尊より一段下の向かって右側が上座です。既にお位牌がある場合はその段の左側に飾ります。

④仏飯器・・・2段目or3段目の段の向かって右側に飾ります。炊き立てのご飯を毎朝お供えします。

⑤茶湯器・・・2段目or3段目の向かって左側に飾ります。お仏壇の段(須弥壇)が2段しかない仏壇の場合はご本尊の足元に置きます。

⑥花立て・・・左の下の段に置きます。常花や生花を供える際に使用します。常花には「ブリザーブドフラワー」がオススメです。

⑦灯立(火立)・・・手前の「ロウソク」を付けやすい位置に配置します。お線香の火は「ロウソク」からつけるのが一般的です。

⑧前香炉・・・お仏壇中央の一番下の段です。中に「香炉灰 or 洗える香炉石」を入れてお線香をお供えします。

おりん・・・右側手前の鳴らしやすい位置が良いでしょう。音を出すことで、仏心を呼び覚ますという思想が根本にあると考えられています。

⑩線香差し・・・お線香を差しておくための台。使いやすい位置でお使いください。


仏具でお線香・ローソク・お花などのお供えをする意味とは?

仏具でお線香・ローソク・お花などのお供えをする意味とは?

仏具によって荘厳(しょうごん)して初めてお仏壇としての意味を持ちます。仏具はご本尊を供養するのと共に、ご先祖様や亡き人を供養するためのものです。

お線香を立てることも、お花を飾ることも、ロウソクに火を灯すことも、ご飯やお水をお供えすることと一緒で、仏様への「お供え」です。この5つのお供えを「五供(ごくう)」といいます。 なので仏具セットとして販売されているものはこの「五供」を行えるように「5点セット+線香差し」の6点の仏具から構成されているものが多いです。

【1】前香炉(お線香を供える意味)


前香炉でたくお線香は「香食(こうじき)」といって香りは亡くなった方の食べ物であるとされています。天に上ってゆくお線香の煙が、この世とあの世を繋いでくれると言われています。


【2】灯立て(ローソクを供える意味)


灯立ては仏様の「知恵」を意味するローソクの明かりを灯すことで、あの世からこの世への誘導灯となり、架け橋の役目を果たしてくれます。

【3】花立て(お花を供える意味)


花立てに飾るお花は、花の芳香によって邪気をはらい、場を清らかにするという意味もありますが、美しい花を飾り、仏様に喜んで頂くという意味合いもあります。

【4】茶湯器(お水を供える意味)

お仏壇に水をお供えする理由は、亡くなった方は常に喉が渇いている状態にあると考えられているからです。また、毎日食べ物や飲み物に困ることなく生活できていることへの感謝を示す意味もあります。水の代わりにお茶をお供えする方もいます。これは決まりはありませんのでお水でもお茶でも良いでしょう。

※ 浄土真宗についてはお仏壇に水やお茶はお供えする必要がない宗派と言われています。


【5】仏飯器(ご飯を供える意味)

ご飯を仏様にお供えするのは、ご飯を食べるためではなく、炊き立てのご飯の湯気を召し上がって頂くためです。亡くなった方にとっては「香食(こうじき)」といって香りが食べ物になるためです。これはお線香を供える際と同じ考え方です。なのでご飯から湯気が出なくなったらお仏壇から下げて、おさがりを頂きます。また、毎日食べ物や飲み物に困ることなく生活できていることへの感謝を示す意味もあります。


仏具で3点セット(3具足)があるけど、仏具は3点の少ないものでもいいの?

仏具で3点セット(3具足)があるけど、仏具は3点の少ないものでもいいの?

先ほどの質問で回答した「五供」の中でも一番大切な仏具は「三具足(3点セット)」といわれる前香炉・灯立て・花立ての3つの仏具です。近年はお仏壇をコンパクトにされる方が多いですが、当店でもこの「三具足」は必ず飾られるようにご案内をしております。

【1】前香炉(お線香を供える意味)


前香炉でたくお線香は「香食(こうじき)」といって香りは亡くなった方の食べ物であるとされています。天に上ってゆくお線香の煙が、この世とあの世を繋いでくれると言われています。


【2】灯立て(ローソクを供える意味)


灯立ては仏様の「知恵」を意味するローソクの明かりを灯すことで、あの世からこの世への誘導灯となり、架け橋の役目を果たしてくれます。

【3】花立て(お花を供える意味)


花立てに飾るお花は、花の芳香によって邪気をはらい、場を清らかにするという意味もありますが、美しい花を飾り、仏様に喜んで頂くという意味合いもあります。


仏具セットのサイズの選び方を教えてください。

仏具セットのサイズの選び方を教えてください。

【基礎知識】仏具のサイズについて

仏具セットでサイズ展開あった場合、すべての仏具のサイズが変わると勘違いされやすいのですが、ほとんどの場合、サイズが変わるのは「花立て」と「前香炉」のみです。その他の仏器・茶湯器・線香差しなどはサイズが変わらず共通の仏具です。

【本題】仏具のサイズの選び方


仏具のサイズを選ぶ場合は「お仏壇の内幅(内寸横幅)」を大体の参考にされると良いでしょう。仏具が6点セットの仏具数の場合を想定した仏具サイズです。

通常の形状の仏具

  • お仏壇の内幅28~38cmの場合 → 前香炉直径 約6~7.5cm(2~2.5寸)の仏具サイズが合う
  • お仏壇の内幅33~43cmの場合 → 前香炉直径 約9cm(3.0寸)の仏具サイズが合う
  • お仏壇の内幅43~cmの場合 → 前香炉直径 約10.5cm(3.5寸)の仏具サイズが合う

※推奨サイズより、意図的に仏具を小さくしシンプルに飾り付けるお客様もいます。


仏具の様々な材質のメリット・デメリット・お手入れ方法を教えてください。

仏具の様々な材質のメリット・デメリット・お手入れ方法を教えてください。

仏具の材質は金属製(主に真鍮)、ガラス製、陶器製、木製の仏具があります。それぞれメリット・デメリット・価格の違いなどがありますのでご紹介させていただきます。

金属製仏具

メリット:仏具の素材の中では一番種類が豊富なため、様々なデザインのものを選ぶことが可能です。

デメリット:サビが発生することがあります。大抵の金属製仏具は表面にコーティングしてあるため、そのコーティングがされている状態であれば錆びることはほとんどありません。

価格:リーズナブルなものから高額なもの様々あります。金属製の仏具を作る際は「金型」を作る金額が高額な代金がかかりますので大量生産できる仏具の場合はリーズナブルにすることが可能ですが、あまり選ばれない仏具ですと値段が高くなる傾向があります。

ガラス製仏具

メリット:美しさがあります。他の素材には表現できないような色合いもガラスは表現できるためお仏壇の中で見ていて飽きないような商品もたくさんあります。

デメリット:やはり割れてしまうことがあるのがデメリットです。仏具購入時に「もし割れてしまった際に単品購入可能か」を必ず確かめてから購入されることをお勧めします。ちなみに当店では全ガラス仏具で単品補充に対応しております。

価格:一口にガラス製仏具といってもガラスを生産する工法で値段が大きく変わります。吹きガラスなどで1つずつ作る仏具は美しさの反面、職人の手作りのため高くなります。型にガラスを流し作る工法では、大量生産できるためリーズナブルな価格になります。

陶器製仏具

メリット:仏具の中では一番リーズナブルなため、予算が合わない場合などは是非ご検討頂くと良いでしょう。また花柄などの絵柄が好みの方はニーズが合いやすいでしょう。

デメリット:やはり割れてしまうことがあるのがデメリットです。仏具購入時に「もし割れてしまった際に単品購入可能か」を必ず確かめてから購入されることをお勧めします。ちなみに当店では全ての陶器製仏具が単品補充に対応しております。

価格:仏具の中では一番リーズナブルな価格帯です。当店でも5点セットで10000円を下回る価格のものからラインナップがあります。ブランド名(大倉陶園や深川製磁など)が入ると高級になります。

木製仏具

メリット:木目を出しているお仏壇には良くマッチします。お仏壇全体に木のぬくもりが漂います。触った際の手触りなどもどこか暖かさを感じます。

デメリット:木製仏具は種類があまり多くない為、多くの商品からは選ぶことはできないでしょう。また木のフシなどが表面にでることがあります。また、100%木材で作ることはできません。なぜなら花立てや茶湯器など水を使う仏具は木材では役割を果たせないため内側が金属などの異素材になっていることがほとんどです。

価格:リーズナブルなものから高額なもの様々ありますが、基本的に高額帯のものが多いです。木製仏具は需要が少なめなのでメーカーも大量生産できず、割高になりやすい傾向があります。


仏具を単品で購入できますか?

一部の仏具シリーズは単品購入も可能です。「単品販売可能な仏具」のカテゴリをご覧下さい。

なお一式セットで購入するメリットとしては当店オリジナルの「天然石の洗える香炉石」はセットで購入して頂いた方のみのサービスとなりますので、予めご了承ください。


古い「仏具セット」や「おりん」の処分方法を教えてください。

仏具セット」や「おりん」の処分は魂が入っているものではありません。なので各市町村の分別ルールに従ってご自身で廃棄処分してよいでしょう

仏像掛け軸お位牌に関しては魂が入っている仏具となりますので住職に依頼をして「魂抜き」をしてもらい、住職にお焚き上げ処分をして頂き、引き取って頂くのが一般的です。

もし寺院さんとのつながりがないお客様に限り、「本尊・お位牌・仏具etc の処分・お焚き上げ供養 」の仏具の処分をお受けしております。