本日は「お仏壇の置き場所」についてお話させて頂きます。
従来は仏間という専用のスペースがどの家にも大体あり、ご本尊やご祖先様を敬う場所としてその家の中心としてお仏壇を設置していました。ただ現代の住宅事情を考えるとお仏壇の為の仏間を特別設けている住宅も少なく、和室も設けない場合など多くあります。
このような背景もあり、お仏壇の置き場所は「リビングなどの家族がお参りしやすい場所」に飾ることも多くなってきました。このことも踏まえて様々な置き場所の良い点や気をつけたい注意点などをご紹介させて頂きます。
お仏壇の置き場所に迷っている方の最低限の知識
【和室の場合の置き場所】床の間や地袋などの仏間で
和室が家にある場合はお仏壇の置き場所として最適な場所と言えるでしょう。和室への設置は「床の間」や「仏間(地袋など)」といったお仏壇を置くのに一番適した場所がある場合はそちらに設置するのが良いでしょう。また「床の間」「仏間(地袋など)」がない和室の場合は置く場所に決まりはありませんが、「お仏壇の向き」・「神棚との位置関係」・「鬼門について」にご注意の上、和室に設置して頂ければと思います。
和室にお仏壇を置く際の注意点
床の間は、その家の中では一番の上座になります。なのでこれに向かい合うように置かれたお仏壇は、下座の扱いとなってしまいます。お仏壇は上座に置くのが通常ですので、もし床の間が家にある場合は床の間にお仏壇を置くようにしましょう。
【リビングの場合の置き場所】家族が集まる場所で
近年ではリビングにお仏壇を置かれる方が非常に多くなりました。新築住宅を建てた場合に和室自体を設けない家も増えたことも背景としてあるようです。それに伴いリビングに設置しても違和感のないモダン仏壇などが現代ではお仏壇の主流となり、現代ではお仏壇の出荷数の9割がモダン仏壇です
毎日家族の笑い声などが響くリビングに設置することで故人様も寂しくないことでしょうし、お子様がいる場合はお仏壇が近くにあることで見えないものを感じる心などが成長していくきっかけにもなります。
リビングにお仏壇を置く際の注意点
リビングに設置する際に一番気をつけたいのはペットを飼われている場合です。ワンちゃんがお仏壇を引っかいたり、猫がお仏壇の上に乗っていたり、そんなことがないよう気を付けてください。そもそも仏教では動物と人間は魂の格が違うという考え方です。なので猫がご本尊様の上に乗っていることなどないようにご注意して下さい。
【寝室の場合の置き場所】静かでしっかりと向き合える場所で
お仏壇を寝室に置くのも良いでしょう。寝室に置くメリットとして一番は静かに語りあうことができる空間であるということではないでしょうか。仏教的にも寝室にお仏壇を置くことに関してなにも問題はありませんのでご安心ください。
寝室にお仏壇を置く際の注意点
仏様に足を向けて寝ることがないように注意して下さい。「これから、●●には足を向けて寝られない」などといったりしますが、足を向けて寝るということは日本人の感覚から失礼に値します。お仏壇を置く場合は上記の画像のような配置などが良いでしょう。
【お仏壇の品質を保つために】直射日光や暖房・冷房などの環境に注意
お仏壇は特殊な場合を除き、木材で出来ています。なので直射日光に長期間あてると木材は、色焼けしてします。またエアコンの風が直接あたる場所や加湿器の近くなども避けた方が良いでしょう。これは温度差・湿度差により木材の伸縮などが起こりやすい為です。扉が開かなくなる等の原因にもなりますのでご注意ください。
【お仏壇の向き】お仏壇はどの向きでも問題ありません
お仏壇の向きについては一般的には北向きは良くないなどといわれますが、これは直射日光が当たりやすいのが北向きだからという理由からで、どの向きはいけないなどといったことはありません。ですが宗派によって推奨の向きや風水の観点での向きなどありますので、詳しく知りたい方は以前の記事の「仏壇の向き」をご覧ください。
お仏壇の置き場所について細かく知りたい方の知識
【神棚との位置関係】神棚と向かい合わせ&縦一列にしない
神棚と向かい合わせにしてお仏壇を飾った場合、どちらかに手を合わせる際にもう一方に背を向けることになります。これはあまり好ましくないとされていますので向かい合わせは避けて下さい。なので同じ部屋に設置する場合は、同じ方向かL字になるように飾るのが一般的です。同じ方向に飾る場合には、神棚とお仏壇が縦一列に並ぶのは避けてください。これは拝んでいる際にどちらを拝んでいるかわからなくなるためです。
【鬼門について】家相を気にされる方へ
鬼門とは、北東(うしとらの方角)の事で、陰陽道では鬼が出入りする方角とされています。この北東の方角にお仏壇を置くのは良くないとの考えもあります。
現代でも、人々は、縁起を担ぎ、家の北東、鬼門の方角に魔よけの意味をもつ、「柊」や「南天」を植えたり、鬼門から水回りや玄関を避けて家作りしたりと、根強く鬼門を恐れる日本独自の思想があります。
鬼門を気にされる方は家の中心から見て北東の方角にお仏壇を置くのは避けた方が良いかもしれません。
【本尊の高さ】置き場所によって変わるご本尊の目線の高さに注意
お仏壇ではご本尊様(仏像や掛軸)がお仏壇の中心となります。日々お参りする際にご本尊様の目線より下からお参りするのが良いとされています。なのでお仏壇の置き場所次第でご本尊様の目線よりお参りされる方の目線が上になってしまうケースもありますので注意が必要です。ご本尊様は見下すことのないように日々のお参りをして下さい。
【お部屋の階数】設置は1階or2階どちらががいいの?
お仏壇を飾る際のルールとしてお仏壇の上には何も置かない・何も飾らないという決まりがあります。これは先ほどと同様にご本尊様の頭の上にあたるからという理由からです。
ですが家が2階建ての場合、1階に設置した際にはお仏壇の上を人が通ることになるという考え方もあります。もし気にされる方は回避策がありますのでご紹介致します。
お仏壇の設置している天井部分に「天」or「空」or「雲」の文字を墨で紙に書き、天井に貼りつけます。これによって「お仏壇の上には何もないよ」という意味になるとされています。これは神棚なども同様です。ですがあくまで気になる場合のみで良いでしょう。
お仏壇の置き場所についてのまとめ
お仏壇の置き場所は様々な条件などによって変わってきます。ですが上記に記載したことを全て守って置き場所を決めるとなると非常に置き場所が限られてくると思いますので、お気にしすぎずに飾られるのがよろしいと思います。当社WEBサイトでも様々な種類のお仏壇を取り扱っており、商品ページはお部屋にお仏壇を設置したイメージ画像なども豊富ですので、お仏壇の置き場所の参考までに是非ご覧いただければと思います。
最後までお読み頂きましてありがとうございました。