本日は、ご戒名をお寺さんから頂いていない場合の本位牌の作り方をご紹介致します。
ご戒名は死後の故人様の名前となります。死後は仏様のお弟子になられたということでご戒名が付けられます。通常、ご戒名を頂き49日法要を境目にそれまであった仮の位牌(白木位牌)から本位牌へ作り変えるのが一般的ですが、ご戒名を付けない方もいます。理由は様々ですが、戒名代金が高いからというような金銭的理由や無宗派、戒名自体を受け入れていないなど様々です。
基本的には戒名を付けてお位牌を作ることをオススメはしますが、様々な理由から出来ない方もいらっしゃると思いますので、戒名無しでつくる本位牌の場合の押さえて頂きたいポイントやレイアウトなどをご紹介させて頂きます。
戒名なし本位牌の作り方
【ルール】戒名なしの本位牌につけて頂きたい文字「〇〇〇之霊位」
戒名とは仏の戒律を学ぶ者として仏の弟子になる事を意味して授けられます。
49日法要を境に霊から仏弟子となり、仏の世界での名前が戒名となります。
戒名が無い場合、生前の名前(俗名)の下に「〇〇〇之霊位」と入れる事で戒名を授かる事と同じ意味をなすと言われています。
故人様が山田花子さんであれば「山田花子之霊位」となります。之霊位は「のれいい」と読みます。これをご戒名の代わりとしてお位牌の表面の真ん中に配置します。
お位牌の中央上部に梵字・冠文字を設けることがありますが、梵字・冠文字もその宗派の教えに沿うことを意味しますので、戒名無し位牌はまず付ける事はありません。
【配列】戒名なしの本位牌の文字レイアウト
戒名なしの位牌の文字レイアウトは下記の画像の2パターンがあります。表面は「名前だけのパターン1」か、表面に「名前と没年月日を左右に入れるパターン2」があります。一般的に多いのはパターン1の方で、表面に「〇〇〇之霊位」だけが一般的です。
【入魂】戒名なしの場合の入魂について
戒名をもらっていない方の入魂はなかなか困るケースが多くありますが、基本的には49日法要を行っていただくお寺さんに入魂してもらいます。
49日法要の際にお寺さんに渡す「御布施」は葬儀の際にお寺さんに払った代金の10分の1が目安と言われています。葬儀の際に30万円払ったら49日法要は3万円が目安です。ですがこの葬儀の際の30万円には大抵「戒名料」が多く含まれています。戒名をもしもらっていない方の場合はこの「戒名料」を払っていない場合がほとんどと思いますので、葬儀の際の10分の1とは言わずに少し多めに包むのが良いでしょう。目安として3万以上は必ず包むのが良いでしょう。
お寺さんと付き合いが全くないから入魂しないという方もいますが、そんな方は近くのお寺さんに電話してみて入魂だけお願いするという方法もあるでしょう。その際には戒名なしでお位牌を作ったことは伝えるほうが良いでしょう。お寺さんによって見解が違いますのであらかじめ伝えておくのがトラブルなどが起きないポイントです。
またお仏壇を新しく購入し、ご本尊を設けた場合などはお布施とは別に開眼供養御礼の熨斗袋を用意したりします。詳しくは以前の記事「【開眼供養・入仏式】仏壇・位牌・本尊の購入後にする入魂の手順と熨斗袋」をご覧ください。
戒名なし位牌のまとめ
無宗教でもお位牌をつくる方が増えていますが、「手を合わせる対象として何もないのは淋しい」といった気持ちからお位牌を作る場合がほとんどです。
お寺さんとお付き合いがある場合には、もちろん頂いた戒名をお位牌に記します。その一方で、こうした「戒名なし位牌」も年々増えてきており、供養と祈りについても多様な価値観が認められた時代になってきていると思います。生前の慣れ親しんだ名前でお位牌を作りたいといった方も上記で説明させて頂きましたルールを加味した上でお位牌をお作り頂ければと思います。
最後までご覧いただきまして誠にありがとうございました。