お仏壇を選ぶとき、多くの方が見た目の美しさや価格、設置スペースに目を向けます。もちろんどれも大切なポイントですが、実際に毎日使い始めてから「こんなはずじゃなかった」と後悔される方は少なくありません。
その後悔の多くは、デザインや値段ではなく「お参りのしにくさ」から生まれます。お仏壇は一度迎えると何年、何十年と向き合っていくもの。だからこそ、日々の手の動きにそった形であるかどうかが、満足度を大きく左右します。
ここでは、お仏壇に深く携わる立場から見て「お参りしにくく、後悔につながりやすい」と感じるお仏壇の形状について、具体的にお伝えします。
またこの記事によって当店内でも売れにくくなる機種もありますが、それは購入ユーザー様にとって、すべて知って頂いてから、ご購入頂きたいとの想いから執筆していきたいと思います。
なぜ「お参りしにくさ」が後悔につながるのか
お仏壇は飾って眺めるものではなく、毎日手を合わせ、お線香をあげ、お水やご飯をお供えする場所です。つまり「使う」道具としての側面がとても強い仏具です。
見た目を基準に選ぶと、いざ使い始めてから「お供えしづらい」「掃除が大変」といった不便さに気づきます。1日や2日なら我慢できても、それが毎日となると小さなストレスが積み重なっていきます。この積み重ねが、やがて「選び方を間違えたかもしれない」という後悔に変わっていくのです。
後悔しないためには、購入前に「自分が毎日どうお参りするか」を具体的にイメージし、その動作に無理がない形状かを確認することが欠かせません。
後悔しやすいお仏壇の形状
ここからは具体的にどんな形状が使いにくいのかを経験則も踏まえてご説明いたします。
【1つ目】収納の位置が仏具板より上にある

最近、ECサイトで様々なブランドでよく見かける形状です。実は当店も以前取り扱いがありましたが使いづらく廃盤にしました。
後悔する理由
お線香を取り出すことを考えて下さい。これは必ず仏具を仏具板からどけてからでないと、お線香やローソクが取れない形状です。
回避策としては、お線香やローソクの箱をお仏壇の外に出しておけばいいのですが、それでは何のためのお仏壇の収納!?ということになります。お仏壇周りを整理するための収納ですので、それでは本来の役割を果たせないことになります。
回避できるおすすめの形状
このサイズ感のお仏壇には仏具板は不要だとルミエールは考えています。そもそも仏具板は箱型のお仏壇で箱の外にお線香の煙がこもらないように仏具を外に出すためのものです。なので箱型ではないお仏壇には仏具板は不要です。当店のKAKOIシリーズやFLOATシリーズのようにシンプルに収納の上に仏具が置けるようなスペースがあるのが一番使いやすいです。

【2つ目】扉を閉める際に必ず仏具の並べ替えが必要になってしまう「仏具板」

この形状はお仏壇市場全体でみると、約9割のお仏壇がこの仏具板の形状です。正直なところ当店でも少し取り扱いがあります。当店では仕入れ・設計の段階でなるべく避けていますが、デザインに特徴がある物だけはこの形状も一部許容しています。
後悔する理由
扉を閉める際を考えて下さい。仏具が乗っている板を収納するために、仏具をお仏壇内に毎回並べ替えなければなりません。
では仏具板を使わずにお仏壇内でお線香をあげてもいいのではと思う方もいると思いますが、これはNGです。何度も使っているとお仏壇の天井部分が焦げた感じで真っ黒になり、非常に劣化します。当店では今までのお客様で、何度も修理を経験しています。
なので必ずお仏壇の外側でお線香を焚くのが推奨で、そのための仏具板になります。
また回避策として、扉を閉めないでずっと出したままにされる方がほとんどです。これに関してプロ目線で申し上げると、大体のお仏壇でそうなのですが、構造上、仏具板が少し斜めに垂れていたりして、仏具が常に斜めの仏具板にのっている状態になるお仏壇が多いです。なので正直、あまりおすすめできない形状です。
回避できるおすすめの形状
当店のお仏壇の9割がこの形状ですが、仏具を乗せたまま移動できる形状です。また仏具板を手前に出しても側面にレールがついている構造のため、仏具板が斜めにならず、美観も使い勝手もとても良いです。

まとめ
今回は「お参りしにくく、後悔につながりやすいお仏壇の形状」として、収納の位置が仏具板より上にあるタイプと、扉を閉めるたびに仏具の並べ替えが必要になる仏具板のタイプを取り上げました。
どちらも見た目だけでは気づきにくく、実際に毎日お参りを始めてから不便さを実感しやすい形状です。お線香やローソクをスムーズに取り出せるか、扉を開け閉めするたびに手間が増えないか。こうした「日々の動作」を基準に確認することが、後悔しないお仏壇選びの何よりのポイントです。
当店では、こうした使いにくさをできる限り避けた形状のお仏壇を中心にご用意しています。お仏壇を選ぶ際には、見た目や価格だけでなく、ぜひ一度「毎日どうお参りするか」を思い描きながら、形状にも目を向けてみてください。
































































