四十九日法要とは
故人は亡くなった日から四十九日後に仏様の元へ向かうとされています。それまでの間、7日ごとに裁きを受け、四十九日後に極楽浄土に行けるか行けないかが決まる最後の審判の日が四十九日目だと仏教では考えています。
その為、故人が極楽浄土に行けるように、遺族も四十九日までの間7日ごとに祈ること(追善供養という)で故人に善行をプラスしていきます。故人の最後の審判が下る四十九日は、一番大切な日であると考えられているため、しっかりと法要を行い追善供養します。
ちなみに四十九日法要は四十九日目ぴったりで行うことは難しいことが多いので、少し早めて行うケースが多いです。
四十九日法要を自宅で行うことについて
四十九日法要を行う場所として多いのは、49日法要は納骨のタイミングでもありますので「寺院・葬祭ホール」で行うことが多いです。ですが、最近では家族葬を行うことも増えてきましたので、四十九日法要も家族のみで「自宅で行う」ことも非常に多くなってきました。
寺院やセレモニーホールですと、ある程度、業者さんが主導で行ってくれることが多いですが、自宅の場合はご自身で僧侶を呼んで行う形となりますので必要な準備などを下記でご紹介していきたいと思います。
四十九日法要を自宅で行う場合の服装
家族のみで四十九日法要をするのにどこまで正装すればよいのかと迷う方も多いと思います。もし僧侶を呼んで法要を行う場合は「準喪服」をお勧めします。下記で紹介しますが「正喪服」は最も格式の高い喪服でも喪主と親族(三親等まで)のみが着るのを許された服装です。葬儀の際は「正喪服」を着用することは多いですが、四十九日法要を自宅で行う場合はあくまで「準喪服」で良いでしょう。 「準喪服」は「準喪服=通常のお葬式の際のブラックフォーマル」ととらえて頂ければと思います。
和装の場合は紋付羽織袴で、羽織は黒の羽二重を着用します。 洋装の場合はモーニングコート(上着の背面が曲線的にカットされたコート)で、ワイシャツは白の無地、ネクタイ、ベスト、靴下はすべて黒で統一します。
■ 正喪服(女性)
和装の場合は染め抜き五つ紋の黒無地の着物です。 洋装の場合はブラックフォーマルで胸元の開いたものは避け、襟元の詰まったデザインを選ぶのが良いでしょう。
■ 正喪服(子供)
学生服がある場合は学生服が正しいです。もし制服がない場合、地味な色のブレザーにズボンやスカートを合わせて着ます。
■ 準喪服(男性)
ブラックスーツ(一般的な光沢のない喪服)で、ワイシャツは白の無地、ネクタイ、ベスト、靴下はすべて黒で統一します。
■ 準喪服(女性)
洋装の場合はブラックフォーマルで胸元の開いたものは避け、襟元の詰まったデザインを選ぶのが良いでしょう。
■ 準喪服(子供)
学生服がある場合は学生服が正しいです。もし制服がない場合、地味な色のブレザーにズボンやスカートを合わせて着ます。
■ 略喪服(平服)
私服です。ですがなるべく黒で無地をメインとした服装が良いでしょう。
四十九日法要を自宅で行う準備(物品編)
自宅で行う場合は下記のものを事前準備するのがよいでしょう。物品編ということで物品の準備にフォーカスを当ててご紹介していきます。1. お寺さんへのお布施etc
お寺さんへ四十九日法要の際に渡すのは「お布施」を渡します。またその他の熨斗袋としては丁寧な方は次のものも準備します。
| 表書き | 水引 | 趣旨 | 金額 | マナー |
|---|---|---|---|---|
| 御布施(おふせ) | 無地 | 四十九日法要の読経、法話などのお礼、お位牌への魂入れ | 2万~5万円程度(葬儀の際に僧侶に払ったお布施の10分の1目安) | 新札を入れ、肖像画がある方を表側に。結婚式やお香典は偶数を使わないといけないですが、お布施は偶数可能です。 |
| 御車代(おくるまだい) | 無地 | 自宅に読経に来ていただく際のお礼 | 3000円~1万円程度 | 新札を入れ、肖像画がある方を表側に。 |
| 御膳料(ごぜんりょう) | 無地 | 法要で食事を僧侶に出さない時に渡す | 3000円~1万円程度 | 新札を入れ、肖像画がある方を表側に。 |
| 開眼供養(かいげんくよう) | 紅白の結び切り | 仏像や掛け軸などの魂入れの御礼(浄土真宗西の場合は入仏式、浄土真宗東の場合は御移徒という表書き) | 3000円~1万円程度 | 新札を入れ、肖像画がある方を表側に。 |
2. 切手盆(きってぼん)or 袱紗(ふくさ)
切手盆はお寺さんにお布施を渡すときに必要です。自宅で渡す場合は切手盆にのせて僧侶側から見て文字が逆さにならないようにお渡しします。
切手盆がない場合は袱紗(ふくさ)で渡しても問題ありませんがその際は受け取りやすいように、袱紗の上に出して僧侶側から見て文字が逆さにならないようにお渡しします。当店でお位牌を購入頂く方は すべてオプション付属品で「切手盆 or 袱紗」を購入することができるようになっております。
ちなみに袱紗のカラーは紫、緑、紺、藍色、灰色などの袱紗を利用するのが一般的です。絵柄などは「無地」か「蓮の花などが入った袱紗」を選びます。慶事用の鶴や亀などの袱紗は向かないので注意してください。
3. 祭壇と仏具
四十九日までの間は仮祭壇がご自宅にあると思いますが四十九日法要もその仮祭壇で行って頂きます。皆様よく四十九日法要はお仏壇で行うと思われていますが、仏壇は四十九日法要が終了してからお祀りするものとなります。なので四十九日法要の際は扉を閉じて特にまだ何も飾りません。法要終了後にお仏壇にすべて移してください。 仏具は前香炉(線香を供える仏具)と灯立て(ロウソクをさす仏具)とおりん(ちーんと鳴らす仏具)は最低限用意すると良いでしょう。それ以外は下記の画像の通り、仏具を並べつけると丁寧です。
4. 生花
祭壇には生花をなるべく飾っておきましょう。花瓶は通常の花瓶サイズで大丈夫です。花瓶がもし一対あれば見栄えがして良いでしょう。 四十九日などの忌日法要でお供えする花は、基本的には白い花をベースに用意するのが多いです。一般的にお供えされる花はキク・ユリなどが多いです。他の色の花を交える場合には、白を基調で淡い色で組み合わせるのが良いでしょう。地域によっても色使いや飾る花は変わりますので年長者がいる場合は聞いてみるのも良いでしょう。 故人をイメージしながら花束を選ぶと素敵ですね。お花屋さんで「法要用の仏花をください」とお願いすることもできます。 ※注意点としては「傷みやすいお花」「棘のある花」「匂いの強い花」を避けるようにします。例えば薔薇だったり彼岸花は避けます。棘のある薔薇は殺生を避ける仏教にはふさわしくないと考えられています。5. 仮位牌と本位牌
「四十九日法要までの仮位牌(白木位牌)」と「四十九日法要後の本位牌」の2本のお位牌を祭壇に準備して僧侶に魂の移し替えをして頂きます。本位牌の購入に関しては下記の記事をまずは参考にご覧ください。6. 本尊(仏像や掛け軸)
お仏壇を新しく購入して本尊(仏像や掛け軸)を購入した場合はこちらもお位牌の横に並べて開眼供養をしてもらいます。特に購入していない場合は設けなくても大丈夫です。7. 法要の際に座る座布団
祭壇の前で法要を行って頂きますが、その際に法要に参加する人数分の座布団を用意していた方が良いでしょう。8. 焼香台
焼香台とはお葬式の際にも行うお香を供える仏具です。細かく砕いたお香を火が付いた炭に落とし、お香を焚く仏具です。「廻し香炉」というタイプが自宅での法要の際はベストです。廻し香炉は専用のお盆に乗っており「香炉と香合をお盆にのせたまま」参列者の前に回すのに適した焼香台です。また廻している際にこぼしたりしないように底面が滑りにくくなっているものなどがありますのでそちらを選ぶと良いでしょう。予算としては5000円程度で炭とお香がセットになったものを購入できます。
9. 法事引き物(人数分)
法事の際にはお茶などの手土産を皆様一律で渡します。それを法事引き物と言います。これは地域によって差がありますので、周りの方の話を参考に準備して頂ければと思います。イメージとしては葬儀の際に一律で配られる2000円~3000円のお茶などをイメージして頂ければと思います。持ち帰るので洗剤など重いものは避けます。法事引き物は香典返しと違って挨拶状などは不要です。仏事に適した包装紙で手配して、紙袋に入れて手渡ししてください。
熨斗紙は香典返しと同じく「志」で大丈夫です。地域と宗旨によって熨斗の表書きが異なりますので下記でご紹介致します。
| 宗旨 | 表書き | 水引 | のし下 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 仏教全般 | 志 | 黒白5本結び切り | 喪主様の姓またはフルネーム | 熨斗の文字色は薄墨(灰色) |
| 仏教全般(主に西日本) | 満中陰志、粗供養、茶の子 | 黄白5本結び切り | 喪主様の姓またはフルネーム | 熨斗の文字色は薄墨(灰色) |
| 神式・キリスト教 | 偲草 | 黄白5本結び切り | 喪主様の姓またはフルネーム | 熨斗の文字色は薄墨(灰色) |
四十九日法要の準備(参加者・僧侶への案内~香典返し編)
ここでは主に四十九日法要に至るまで行わなければならない手配をご紹介いたします。香典返しも49日後と思われている方が非常に多いですが、実は49日前に済ませておくのが正しいですのでそちらも合わせてご紹介致します。1.お坊さんの手配【時期:葬儀後なるべく早めに】
四十九日法要で読経していただくお坊さんを手配します。菩提寺(代々その寺の宗旨に帰依し、先祖の位牌を納めてある寺)があれば菩提寺に連絡し、お坊さんの都合を確認しましょう。菩提寺がない場合は葬儀社にお坊さんの手配をお願いするのもひとつの方法となりますが、基本的に入魂は葬儀の際に戒名をつけてもらった場合は戒名をつけてもらった寺院に依頼するのが良いでしょう。 依頼するタイミングとしては葬儀後なるべく早めに依頼したほうが良いでしょう。僧侶も土日は法要が混み合いますのでなるべく早めに依頼することで希望の日時を選びやすくなるはずです。また亡くなってから49日より前に法要を早めることはあっても、49日より後にしてしまうのはあまり良くないとされていますので、その点を頭に入れてご依頼することをお勧めします。 ※【注意点】以前あったケースとして、菩提寺があるのにも関わらず、別の僧侶に依頼したことで問題になってしまったケースがありましたので、僧侶は葬儀と四十九日法要は同じ方にご依頼するのが無難です。2. 参加者へ案内状の送付【時期:遅くとも1か月前までに到着】
参列者にむけて案内状を送ります。一般的に電話などは用いず案内状などの文面で送付することが多いです。遅くとも1か月前には案内状が先方に届くように送るようにしたほうが良いでしょう。そう考えると葬儀から10日くらい経過したら案内状の準備をされるのが無難です。悲しみに暮れていることと思いますが、無理をせずに用意してください。 ただ、家族や親戚のみで行う際など少人数で行う際は電話(LINE、メール)で案内する形でも良いでしょう。3. お斎(法要時の会食)の準備【時期:なるべく早めに】
参列者の出欠が分かり次第、お斎(おさい)を準備します。お斎とは法要時の食事のことを指します。もともとは僧侶にふるまう料理を「お斎」と言いましたが、現在では法要時に振る舞う料理を指します。お斎として出される食事は、一人分がしっかりと分かれているお弁当などが好まれます。取り分ける会食料理などはなるべく避けた方が良いでしょう。
お斎の献立は、僧侶の食事であったという歴史から肉や魚が使われない精進料理でした。ですが法要後の食事という意味に変わってからは、献立の内容も比較的自由になっています。ただし、献立の中に海老や鯛などおめでたい席の食材が入らないよう、注文する際にはあらかじめ四十九日法要の会食であることを伝えましょう。予算は3,000円~10,000円程度が相場です。地方や習慣によっては異なるため、身近に相談できる年長者がいる場合は事前に確認しておきましょう。
また現在はコロナなどの関係もありますので持ち帰り用のお弁当とお酒を準備されるのも良いでしょう。持ち帰り用弁当を用意する場合においては参加者にあらかじめ食事がない旨を伝えておきましょう。食事会を開かない場合は、法要が終了した後にお弁当を持ち帰ってもらうよう案内します。その際に「本来は食事会を行うべきですが・・・」という締めの言葉を添えると良いでしょう。
4. 香典返しの準備【時期:四十九日法要日に発送して法要の翌日から届くように】
葬儀の際、法要の際に参列者からいただいた香典のお返しを法要後に準備します。一般的に多いものはカタログギフト、お茶、タオル、洗剤などがよく選ばれます。丁寧な贈り方は挨拶状をつけて、熨斗紙をつけてご自宅に発送するのが一般的です。
熨斗は一般的に「志」が多いですが地域性や宗派によって変わるケースがありますので、下記にまとめております。
| 宗旨 | 表書き | 水引 | のし下 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 仏教全般 | 志 | 黒白5本結び切り | 喪主様の姓またはフルネーム | 熨斗の文字色は薄墨(灰色) |
| 仏教全般(主に西日本) | 満中陰志、粗供養、茶の子 | 黄白5本結び切り | 喪主様の姓またはフルネーム | 熨斗の文字色は薄墨(灰色) |
| 神式・キリスト教 | 偲草 | 黄白5本結び切り | 喪主様の姓またはフルネーム | 熨斗の文字色は薄墨(灰色) |









